その51
まぁ、後で豆鯵の事は聞けばいいかとドアを閉め廊下を歩いていく…奥から2番目だから、この少し音の聞こえてくるここか。
ガチャ
「おお…」
開けた瞬間に広がる魚介の香り。苦手な奴は間違いなく近づきたくないもんだろうが、俺からすりゃテンションの上がる香りだ……行き交う人たちが木箱やデカい魚を抱えながら歩いているのもいいな。
「まずは加工受付に行けばいいのか」
こっち側のドアから来たもんにも分かるようにか<加工受付はこちら>と矢印のついた看板が目に入る場所にでかでかと置かれている。その矢印の方向を見るとまた看板がある…分かりやすくていいがちょいと看板がでかすぎねぇか?背の高い奴とか頭ぶつけそうな気がするんだが――今まさに牛角の若い奴がぶつかったな。しかも角の部分だけ当たったから首が反るような感じになっちまってるわ。
「ありゃ痛いだろうな…可哀そうなんで見ないふりをしておくか」
矢印の通りに進んでいくと外に繋がっている場所に辿り着いた。そこに長机が並んでおり、ガタイのいい者たちが木箱やらを運んでいる者たちの対応をしていたんでその列に並んだ……結構進むのが早いな。もう目の前だわ。
「加工受付はここでいいのか?」
「おう!依頼品の確認もこっちでやってるぜ」
「そりゃ良かった。さっき表で聞いてきたばかりなんで、依頼用の場所もあるのかと思ったわ」
「ってことは依頼か…どれだ?」
「根魚とカサガイ…あと来てたらペルセベスだ」
「おうこれか。豆鯵はまだなんだな?」
おっと、思わぬところで豆鯵依頼がまだ有効なことが判明したわ。なら番号を受け取った後に倉庫でバケツを借りて市場近くで釣ればいいな…豆鯵ならそこら辺に居るだろ。
「ああ、その依頼は取り消しになる可能性もあると思ってな。副マスに依頼人が絞められたそうなんでね」
「依頼人?……ああ、これギルマスのやつか」
あの人も懲りねぇなと呆れたように呟いてるし、この依頼はある意味の名物なんだな。
「大丈夫なのもわかったんで後でまた持ってくるわ」
「基本夜10時以降はやってないんで気を付けてくれよ?」
「了解だ。んで、依頼品はどうすりゃいいんだ」
「そうだなぁ…8番の台が空いてるんでそこにすっか」
そう言うとテーブルに置かれている木片を手に取り、他の受付達に声をかけだした。
「うし、これでいいか…ついてきな、初めてなようだし案内するぜ?」
「そりゃ助かる」
内部が芋洗いとはいかないが、ごった返して場所が分からなそうなんでな…背が低いのも考え物だわ。
地味だけど大きなデメリット。
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