その49
「……なんだ?やけに外界人共が騒がしいな」
マジックバッグに魚を入れた木箱と使用した仕掛けやライフジャケット達を仕舞い、忘れ物はないか確認を終え磯を後にしたゴンゾは、メインストリート手前で奇妙な光景に出会っていた。
「そこら辺の道を探ってる感じだが、何かイベントでも発生したのか?迷子の金持ちの子供でも見つけろとか」
それだったら報酬が旨そうなんで俺も参加したいが、特にそんな告知やらはなかったし今は依頼の帰りなんで余計なことはせんでおこう。また変なことに巻き込まれて時間を食うのはごめんだ。
”そっちあったか?”
”いや通じてねぇ!”
”どこにあんだよあの場所!”
どうやらどこかを探しているようだが……流石に俺が居た磯じゃねぇよな?掲示板に出したのは限定公開になっとるはずだし、尚且つそこまでして探すような場所じゃないはずだ。繋がる道も見つけにくいとはいえ、あの場所に行きさえすれば分かるしな。
「それにこんな町中じゃねぇからな…お、八百屋のおっちゃん」
「おうよ!随分と満足げな顔をしてんじゃねぇか!」
「そうか?」
「うちのトマトみたいに輝いてんぜ?」
それは誉め言葉なのか。いや確かにこの店のトマトはどれもぷっくりとしていて赤く輝いてるがな?
「そういやお前さん、帽子はどうしたよ」
「今はマジックバッグに仕舞ってるな。通常使いにするにしても鍔が広いとそこら辺にぶつけそうなもんでね」
「あんたドワーフだから余計に危なそうだな」
「そういうこったよ」
背が低いから余計に人に当たりそうなんだ。体格自体は良いんでこちらがよろける事はないだろうが、ガンガンぶつかる趣味はないんでね。
「そういやこの外界人の騒ぎはどうしたんだ」
「俺にはさっぱりだな。何かを探してるってのは分かるんだが…そうだ」
「どうした?」
「これ以上の騒ぎになると衛兵が出てくるかもしれないんだが、外界人って似たような服装ばかりだろ?下手すりゃ関係のない奴も補導されそうだと思ってな」
「あー可能性はあるか」
「まぁあんたは大丈夫だとは思うが、一応気にかけた方がいいぜ」
「おう、忠告感謝するわ。今度と言っておいてなんだが、あの時言ったみたいに今は金がなくてな…明日にでも依頼報酬引っ提げて色々と買わせてもらうぜ」
「あいよ!その分大量に買ってくれりゃ最高だね!」
「そうさせてもらうよ」
手を振ってくる八百屋の店員と別れると、またもや外界人が集まっては四方に分かれていくのを何度も見かける。
「こりゃ確かに結構な騒ぎに発展しそうだな。下手すりゃ住居侵入とかで問題になるぞ?」
早いとここの初期服から着替えた方がいいかもしれん……関係ないってのに捕まるのはごめんだぞ――ったく、金は無いのに使い道ばかり増えやがる。
騒ぎの原因が何か言ってますね…まぁ扇動したわけじゃないですけども。
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