その5
チュートリアルというかキャラメイク終了!
結局種族はドワーフにした。そんな容姿が変わらんが、少し違う感じを味わえる感じが気に入った。魔人?論外だ論外。酷似した外見は出来んそうだし、ちゃんと設定すりゃ問題ないんだろうが…俺の頭から緑とピンクのあいつらが離れん!
<種族の変更及び服装設定が完了いたしました。続いて名前をお願いいたします>
「名前か…」
プレイヤーは外界からやってくるという設定なので、言葉の違う元の世界の名前ではなくラウドでの名前を作るって話だっけか。確かに種族やらも変わる現実の名前でプレイするなんざ、ナンセンスというかマナー違反だからな…昔他人の名前でSNSやオンラインゲームをやって悪評を広めた馬鹿が居たっけな。あいつらは求刑された罰金払い終えたのかねぇ?
「ここはゴンゾだな」
<ゴンゾでよろしいですか?>
「おう。ドワーフの中じゃ割と多いんじゃねぇか?」
<はい、ラウドに住むドワーフの中ではそれなりに存在する名前です。ですのでファミリーネームを設定していただけたら幸いです…>
「ファミリーネームって、苗字か…そりゃ多い名前じゃあった方がいいか」
因みに何でゴンゾなんだって?そりゃ俺の本名が権蔵だからだよ。ちなみに権蔵じゃなくて権蔵だからな…俺の両親は何で微妙に勘違いする名前にしたんだか。ついでに画数が多くて名前を書く必要がある時に面倒なのなんの。いや俺の名前に付いて文句を言ってる場合じゃねぇな。
「んじゃウェーダだ。ゴンゾ・ウェーダならそんな変じゃないだろ」
<かしこまりました。ゴンゾ・ウェーダ様で名前を決定いたします>
ウェーダはウェーダーだな。あれだ胴長靴とか呼ばれる蓮根を抜く作業とかに使われる、胴の上の方まで耐水性のある素材で作られた長靴一体型の作業服のことだ。川や海の海岸で釣りをする際の必需品みたいなもんだ…長靴の底が滑りにくいようになってるから苔むした岩の上でも多少は安全に歩けるって寸法よ。
まぁそんな上歩かないに越したことはないんだがな!こけてウェーダーの中に水が入り込んで起き上がれずにそのまま死ぬ可能性もあるんでね。
<これにて全設定が完了いたしました。最後に降り立つ地点の選択をお願いいたします>
新しく映る画面には地点ごとの特色に、それに付随した様々な映像が流れている。といっても俺の選ぶ場所は決まってんだけどな。
「ここだ」
<降り立った後に変更はできませんが宜しいですか?>
「構わん構わん。むしろ此処しかないんだよ」
<かしこまりました。ただ今最終調整に移ります……完了いたしました。>
<それでは。外界人ゴンゾ・ウェーダ様のご活躍をこの場所より願っております>
「あいよ。行ってくるぜ」
なんか不採用通知の手紙みてぇだなと思いながら、ゴンゾは選択した町へ降り立った。
次回よりやっとゲームスタート!
ブックマークや評価を頂けると嬉しいです!




