その40
バシャン!
「おおー!こりゃいいサイズのベラじゃねえか」
あの後小さいながらに暴れるカサゴを針から外すのに苦戦したり、途中で小型のフグが釣れまくる地獄が発生したりはしたが順調に根魚を釣り上げていった。そろそろ潮止まり――潮の満ち引きが止む30分から1時間ぐらいの時間だ――になるタイミングじゃないかと思った所で今日一番の引きがやってきたんで、ラインが切られんように最初は力強く合わせて潜り込みを防いだ後に多少ゆっくりと抜き上げたら、コイツが釣れた。
「30は越えてんじゃねえかね?」
ってなると取れる身の量も多くなるだろう…根魚は成長するのが遅いしこのサイズのが釣れるのは嬉しいもんだ……ベラの成長は結構種類で幅があるけどな。
「ただこれを依頼で渡すのはちょっとなぁ…高くはなりそうだが」
ギルドで一度見せてどれぐらいになるか聞いてからの方がいいかもしれん。幸いにも他にも根魚は連れてるんでね。
「今んところ、カサゴ系が5匹にベラ系がこいつを含めて4匹か」
凹みの中で動く魚たちを確認するが釣果としてはまずまずって感じだし、ベラでもこの種類は根魚の扱いになるらしく依頼の数は達成している。欲を言えば10匹でつ抜けは達成したいが、潮が満ちる前に釣れた奴らを〆て血抜きを済ませたいんで、この場所での釣りはやめにすっかね…波で魚を持っていかれたら事なんでな。
一度魚たちを磯がねを利用して外に出し、カサゴたちのトゲに刺さらないように注意しながらナイフで脳天を刺していく…数があるんで流れでやって行くしかないか。更に動きが鈍くなった奴らの鰓蓋を掴んでナイフを入れ中骨に沿うようにある血管を切り、尾鰭の根本付近の血管も同じように切る。言っちまえば活締めって方法だな。
「これで1尾上がりっと」
そのまま先ほどの窪みに入れ作業を再開させる。正直中型ぐらいでなおかつ白身のやつらにこの作業は要るのかって話になるが、まぁ気分だ気分。それに生きている状態だと何故かマジックバッグに仕舞えないみたいなんでな……貝類にカメノテはそのままでいけんのに謎だ。
「うぉっと!……刺さってねぇな?」
反射的に動いたカサゴの背鰭がグローブに当たったが、幸い頑丈なものなようで表面に傷すら付かなかった。このグローブ手を動かしやすいってのにこの頑丈さは欲しくなるな――間違いなく高いだろうが。
「せめてこのレンタルの間だけは恩恵を享受しておくとするか。ついでに余計なことを考えるのはやめにしよう」
グローブは頑丈でもその先の腕は初期の防御皆無初期服なんでね…早いとこ金集めて装備買わんと。
良い装備は高い。
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