その32
月間SFVRランキング3位入りありがとうございます!
ちょっと長いゲーム内説明があります。
キラキラと輝く表示を隠すことができるのを発見したゴンゾは、迷わず実行して何食わぬ顔で再び磯に向かい始めた。甘いものは嫌いじゃないんだが今じゃない…その内1店舗ぐらいは行くか。
「にしても日射が大分強いな」
夏らしい日差しがサンサンと上から降り注いできやがる…やっぱ夜時間から始めるべきだったか?このゲームは3時間ほどリアルの時間より進んでる以外は時間加速がない、今時珍しい種類のやつだからな。ただまぁ社会人が朝の時間帯のプレイが出来ないってんで、午前0時に8時そして午後4時の3つの時間に分かれて始まった鯖が存在してる面白いタイプでもある…因みに日付や時間制限付きに人物指定のクエストをやっていない限りは鯖間の移動はすぐに出来る有能っぷりだ。
「まぁ始めちまったからには今日はこのままの時間帯でやって行くか。ギルネットやらの人間模様を見るのも面白いからな」
それ以前にあんま変えない気もするが。どうも外が朝でゲーム内が深夜ってのは合わなそうでな…そのうち慣れもするんだろうが、どうもヘッドマウントの頃から外の時間がずれすぎているのは慣れん。チャットやらは面白かったがな?
「ただ流石に日よけが欲しくはなる…おっ」
メインストリートの喧騒を抜け路地に入りだしたところで気になるものが下げられた店を発見した。
「邪魔するぞ」
「あいよ!新鮮な野菜が入ってるぜ!」
「おっと八百屋だったのか」
「そりゃここまで野菜に果物を並べてるんだぞ、八百屋以外に何があるよ?」
目的の物だけを見ていたが、確かに下を見るとチコリや幅の広いネギ、トマトに細長いトマトやかぼちゃみたいな形のトマト…いやトマト多いな。使い道が違うんだろうが、こんなに種類を置く必要あるのか?
「いやすまんな。そこの下げられてんのが目に入ったから寄ったんだ」
「下げられてる…あぁコレか。うちのが手慰みでやったもんだが欲しいのか?」
「おう。こう暑いと被るもんがないとな」
「なるほどな…ならもってけ」
「いいのか?奥さんの手作りだろうに」
「もともと飾ってるだけのもんだったからな。それにお前さん、水産ギルド前で良い啖呵切った外界人だろ?うちの客から聞いたぜ」
啖呵…あれは啖呵になるのか?ただ何を言っても叫ぶだけのアホに常識を言っただけなんだが。
「この町の住民は魚に助けられてきてるからな。その大本での騒ぎを治めてくれたんなら、これぐらい渡しても罰は当たらんだろ」
「……ならありがたく受け取っとくわ。今は手持ちが少ないんで、今度たっぷり買い物をさせてもらうよ」
「おうよ!待ってるぜ!」
早速八百屋の店主から奥さん手作りの帽子を受け取って被り、店の前を後にする。つばが広いため体の殆どを影が覆い一気に涼しく感じる。
「まさか麦わら帽子がタダで手に入るとは…柄に合わねぇことをした甲斐がさらにやって来るとはな」
これで準備も万端だ。
宿以外な。
未だ宿無し!
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