その27
「ありがとうございますゴンゾさん!荷運びの時も手伝って貰ったそうなのに、仕分けでもご迷惑を…ほら!あんたらも頭下げな!」
”ありがとうございますゴンゾのおじき!相変わらずナイスバルクです!”
荷物を引っ張りながら開きっぱなしの倉庫に近づいたら、正しく例のギッチギチサーモン箱が原因で荷車が斜めになり嫌な音を響かせていた。せっかく手伝った物が台無しになるのはごめんだったので、急いで箱を下ろしもう1つある荷車の方に中身を分けた後に、サーモンの箱だけ紐で縛って固定してやったが、上に載せるブツはねぇそうなんで板を打ち付けるのはやめておいた……正直やってみたかったぜ。
これで重心がずれることはねぇだろうし大丈夫だろうと思い後ろを向いたらこれだ…ギルネットはでかい氷を正座の膝に乗せられて苦しんでるし、おじきって呼ばれるせいで俺が締めてるみてぇじゃねえか。
「にしても、何で態々この倉庫まで魚を運んできてんだ?漁港での荷下ろしの後にすぐ運んだほうが楽だろうに」
「加工した物や依頼より少ない場合は、この倉庫の物を卸す必要があるんです」
「運ぶ回数を減らしたいからってわけか。ただマジックバッグがあるだろ」
「私のバッグは量は入るのですが、時間遅延等がなく保存ができないんです…個人登録もされてるので誰かに預けも出来ないので」
倉庫から魚を持ち歩いても持たないってわけか。あの時の疑問が解消出来たし、追加の情報も手に入ったか…外界人のだと腐らんよな?信じてるぞ運営。
「なるほどな……んで、そこの馬鹿はなんで氷抱きなんかしてんだ」
「逃げようとしていたのと詰め込みすぎでの罰です」
「なら仕方ねぇな」
「仕方なくねぇって!?手が悴んできたし凍傷になるぞ!」
「多少はなっても良いだろうに、少しは反省すべきだよ」
「そんぐらいの氷ならそのうち溶けるから大丈夫だろ」
「良くねぇって!服に張り付いたせいで落とすにも落とせねぇんだぞこれ!?反省はしたから助けてくれ!」
「はぁ…言質取ったからね。問屋に卸しに行かないやつらで暇なのは割ってやりな!」
”了解っす姉さん!”
テキパキと荷車の確認をして数人で倉庫からそれぞれの方向に向かっていく…サーモンは後で合流して1つの店に運ぶみたいだな。そして倉庫内の整理以外でギルネットに集まってきた船員たちの手にはハンマーに――鋭く尖ったアイスピック。
「っちょ!お前ら慎重にやれよ!」
”やるぞー!”
”おー!”
”誰がミスるか賭けだ!”
”乗った!”
「乗るな!?後で奢ってやるから!」
”ごちになりまーす!!”
「…毎度こんな感じか?」
「ええまぁ…優秀なんですが毎度ふざけてばかりなのが問題なんです。少し帰りが遅かったのですが、またギルが何かしましたか?」
「遅くなったのはまた違う問題だが、やらかしてはいたな」
「詳しくお聞きしても?」
「おう」
そうして話していくと、ギルネットが外界人を抑えていた場面では自慢げというか嬉しそうな顔をしていたシキルの嬢ちゃんだったが…ギルドカードを破損したのを話した途端頭を片手で抑えてしまった。
「またですか…」
「これで4回目らしいな」
「ええ、困ったものです。(なんでカッコいい事をした後は抜けるのよ)」
横を向いて小さな声で言ったようだが、惚気が聞こえちまったな…
本当に苦労性のシキルの姉さん。
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