その23
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あのシキルって嬢ちゃん副船長でもあったのか…ギルネットは船員のやつらのテンションを上げて仕事に取り掛からせるってのは得意そうだが、制御は苦手そうだと思っていたからそっち方面のやつが副船長何だろうと思っていたが…確かに引き締めとかは出来そうだったな。
「お前マジで飯に誘ってやれよ?んで絶対に静かな店にしてやれ」
「ん?おぉ確かにいつも俺や船員のやつらが騒がしいからな!収支やらの真面目な話をすんなら静かな方がいいか。ただそういう店って高いんだよな…俺の小遣いで足りっかな」
「そこは頑張れとしか言えんな」
これで多少は恩が売れるかね?と思いつつ手にした依頼書をギルネットと共に副ギルドマスターの居る受付に持っていく。
「取り敢えずこの3つを受ける事にしたぜ」
「畏まりました…おや、磯での依頼も受けられるので?ランクEの依頼ですが」
「おう、あそこの店員から地図を貰ったんでな。ついでに道具やらも借りられるそうじゃねぇか…出来るんだよな?」
「初依頼で1つ上のランクを受けられる方は流石にお断りしているのですが…」
「なら俺の船での荷運びを依頼にできねぇか?荷運びでちょろまかすこともないし、最後まで手伝ってくれたんで人柄も保証するぜ…まぁマジックバッグを知らなかったってのもあるだろうけどな!」
おっと、なんだかんだきちんと観察はされてたのか。ちょろまかさないって言うってことは、これまでの外界人はマジックバッグに入れた魚を一部戻さなかった奴もいるってわけか?…もしそうだとしたら株下がりまくりだぞ。
「マジックバッグを知っていても取りはしねぇよ、あがりを盗むなんざ犯罪だろうが」
「ほらな!」
「……ふむ、であればその荷運びを初依頼として処理してしまいましょうか。報酬はいくらでしたか?」
「6000ミールだな」
「おや、個人としては随分と良い金額ですな」
「1人でサーモンがドカッと入った箱も運んじまったからな!それに準じてだぜ!」
「アレを満載にした箱を運ばせたのですか…」
「やっぱおかしいんだな」
サーモンだけでも重いってのに尻尾が何本も中に見えたし、氷も含めりゃ200キロなんか優に超えてただろ…船から押していた船員もそうだがクレーンとかあった方がいいと思うぞ。つか普通の報酬って言ってはいたが、運んだ重さで出してやがったな?
「ではこちらのEランク含めて3つの依頼は受理いたします。道具等はカウンター横のドアを開くと、一番奥が倉庫になっていますのでそちらの職員にお声がけください」
そういうと副ギルマスは依頼表を回収し、同時に<以下の依頼を開始します>とウィンドウが現れた。成程、現物がなけりゃ依頼を覚えらんねぇと思ってたが表示されるようになんのね。こっちの世界の住民は…ちらっと横目で隣で手続きを行っている現地民を見ると、ペン状のものと小さな紙が見えた。アナログだが確実な方法だな。
「了解だ。ギルネットはどうすんだ?この後俺の報酬の魚は回収に行くが」
「あれなら放置されちゃ傷んじまうから、一緒に運ばれてると思うぜ?漁港に戻っても置手紙ぐらいは置かれてるかもしれんけど、直接行ったほうが楽だろ」
「つまりここで待ってると」
「おう!備品の受け取りならすぐだろ!」
こういう気の使い方は上手いなコイツ…他にも気を向けてやれ。
「この後の予定が決まったようで何よりです。では、私は仕事に戻るとしましょう――その前に」
「なんだ?」
「このつまみを依頼した馬鹿をもう一度締めあげてまいります」
ぴらっと見せてくるのはあの小鯵10匹の依頼…やっぱ職権乱用なのね。
ギルマスの拘束時間延長!
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