その17
これなら問題なく買い物が出来そうだと安心して品物を物色していくゴンゾ。流石水産ギルドというだけあって売られている物がそっち方面に特化している…一応盾等の防具や剣に槍などの武器も置かれてはいるが必要最低限といった感じだ。
「一応ナイフでも買っておく…その前にだ」
「どうかされましたか?」
「いや、支給品でも入ってるんじゃないかとマジックバッグを確認したくてな。ここで見ても大丈夫か?」
考えてみりゃマジックバッグなんてもんが最初から貰えてんだから、その中に多少の物が入ってるとなるのは道理だろ?
「問題ないですよ。私は少し離れておきますねー」
そう言ってそばを離れて、入った時に立っていた店のカウンターまで移動していった。随分と出来た店員じゃねぇか…ますますアレの評価が下がるが、もう地というか目に見えん底に落ちてんだし気にしないでおくか。
「さて、こういう場合は…ステータスか?」
発言に反応したのか、親より見たようなUIのステータス画面が現れた…ほうほう確かに力と器用が他より高いが俊敏が遅い。って見たいのはこれじゃないな。
「こいつは閉じて…いやメニューに戻るってのがあるな」
ステータスの左上に書かれた物に意識を向けると装備や所持品、先ほどのステータスやオプションと言ったアイコンが表示された画面が現れた。
「考えてみりゃステータスって自分の状態を見るだけだわな…」
これが異世界物を見てきた弊害かと思いつつ所持品と書かれた場所を確認すると、初級回復薬が3個にナイフが一本と木製の小盾が入っていた。
「まさに初心者セットって内容だなおい」
これが<ひのきのぼう>に<おなべのふた>だったりしたら、一部の笑いは誘えるだろうが困惑と批判が飛び交う結果になってただろうよ…個人的に<たけざお>なら許したかもしれん。
「んで所持金は11000M…確かミールだよな」
金だけはステータスでも最初の画面でも確認できたから問題なしだ。俺はギルネットの荷運びで6000ミールを報酬で持ってるから初期の所持金は5000ミールか。
「おう店員さんよ、確認が出来たから戻ってきてくれ」
「かしこまりました!」
声をかけると人懐っこい笑みでやってくる…人気そうだなこの店員。
実際人気でギルド内では遠巻きに厄介者は牽制されています。因みに性別は未定。
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