その15
ギルドのナンバー2である副ギルドマスターの登場に――騒ぎが大きかったため、後から来たギルド員への説明のために出張っていたらしい――より、予想よりもサクサクと登録が終わってしまったことに拍子抜けしてしまったゴンゾではあるが、その前のやつで時間がかかりすぎていたし結局時間は変わらんかと自分を納得させながら出来上がったギルドカードを受け取った。
「最初はFからの始まりになりますので、ご了承ください」
「おう、」
「こちらをご掲示いただければ、他の町であっても基本的には入場料を支払うことなく入ることが出来ます。ただし、紛失されると大銀貨1枚…ええと外界人の方に分かりやすく言うと5000ミール掛かりますのでご注意ください」
「結構かかるな、無くさねぇように持っとくわ」
「それがいいでしょう。外界人の方々は確かマジックバッグも持たれていますから、そこに保存するのが良いと思われますよ」
マジックバッグ…そういやキャラメイクで種族選んだ後の服装で、鞄選べって言われてヒップバック――腰に巻くタイプの鞄で、ウェストバッグとも言う。工事の作業員や釣り人が腰につけてるヤツを想像すれば分かりやすいぞ――にしたやつならあるが。こいつがそうなのか?
そう思いながらカバンの口にギルドカードを仕舞おうと近づけると、シュンっと消え去り<水産ギルドカード・Fが収納されました>と表示が出てきた。
「おお、こりゃ便利だな」
「おや、ご存じなかったので?」
「ここに連れてきた神様方は、俺たちが試行錯誤するのが楽しみみたいでなぁ」
不親切を楽しめというか、色々な所に怪しい部分があるからそこを見つけていけば便利になるよってのがコンセプトというかこだわりらしい…正直何でこんな仕様にしたとは思うが、昔の画面でやっていたRPG達を思い出すような仕様だからそこまで面倒には感じない。多分探している間に他のことにも詳しくなるようにしてんだろう。
「成程。あの方々が考えそうな物です」
この感じだと、このゲームっていうか世界だと神々は身近に存在するようなもんなんだな?気軽に試練とか与えてきそうで勘弁願いたいぜ。
「にしてもやっぱマジックバッグって不思議なもんだな?目の前にあったのに消えちまうし、大きさ関係なく仕舞えちまう…うちの船でももう1つぐらい持っておくべきか?」
「もう1つってことは有りはするんだろ?何でそんな不思議なんだよ」
「そりゃ持ってるのは在庫や金銭管理してるアイツだからな!」
アイツ…多分ギルネットに気がありそうな姉ちゃんの事だろう。品物の管理はそうだけど、管理費とかの金も管理してんのかよ?大変だな。
「お陰でギルドへの報告が帰還と荷揚げの2度手間になっているのですがね…と言っても貴方に持たせても宴会で管理費も使い果たしそうですし、騒ぎが起こっている場合にタイミングよく早く帰ってくる等がありますのでどうにも言えない状況なのです」
「適材適所ってやつだな!」
それお前が腕力自慢の馬鹿って言ってるようなもんだぞ?そう言いそうになったが、もっと馬鹿というか阿呆を見たばっかりなので言葉を飲み込むことにしたのは――目が合って黙礼してきた副ギルドマスターとの秘密である。
宴会でのどんちゃん騒ぎ等で迷惑はかけるけど、善人であり町の人気者。特に子供に人気が出そう。
それにしてもどちらの主人公もウェストバッグになってしまった…体に固定されていて片手で開けられるので、道具を入れたりするのに便利なんです。
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