その103
試しにもう一度周囲にいる奴らを見渡してみたが「流石にそこまでは分からねぇって!」と返された…そらそうか。今度会えた時にでも直接聞いてみるとすっかね。
「んじゃあ、また明日にでも来るぜ。資料室にはそん時に行くわ」
「畏まりました。資料室は2階に上がってすぐにございますが、入室の前に受付に一言声をかけていただけると助かります」
「あいよ」
ついでにここら辺の海産物の情報を調べておきたい……いい加減<カサガイ3>や<カサゴ2>とかいう数字を無くしたいからな!
副ギルマスと、未だに静かに飲み食いを続けているギルドのやつらに別れを言って――何で飲み食いは続けてんだよ…食い意地張り過ぎだろ――水産ギルドを後にした。道具屋によって明日用の餌やらを買っておいてもよかったんだが、日が変われば入荷している物が増えている可能性もあるんでやめておいた。
「ん~~?あの小奇麗な野郎どもが居なくなってんな……」
メインストリートにちらほらと外界人たちは居るんだが、ドタドタと走っていたり往来の中で数人が邪魔な所で立ち往生して騒いでいるってのがないんだ。ここまで大人しくなった感じからして、住民たちが迷惑がっているってのを気づいたかね?
「俺としちゃあ静かになればそれでいいけどよ…代わりと言っちゃなんだが、鎧を着たのが増えたな」
メインストリートと脇道の境や大店の武具屋の周囲を巡るように、左右をしっかりと確認しながらカチャカタと音を立てながら歩いているのが一定の間隔で居るんだ。腕に巻いているマークを見る限り、あの時に見た衛兵隊長の制服のに似ているんで衛兵隊の巡回って感じっぽいな。
あいつ等のやっていたことは、迷惑行為ではあるがこんなに巡回が強化されるレベルではないとは思うんだが…事前に巡回を行って注意をしておくことでこれ以上の混乱を防いだって感じか?
「住民からすりゃ騒ぎが起きる前に対処されて安心だわな」
お、八百屋の兄ちゃんが精魂尽き果てた状態で軒先で伸びてら。陳列されていた野菜や果物達が綺麗さっぱり無くなっていることから、売れまくったんだろうなぁ……嬉しい悲鳴ってやつで気持ちのいい疲れでもあるだろう。伸びきった兄ちゃんの顔が嬉しそうだ。
「今度釣れた魚を持って差し入れに行かんとな」
今日は行かんぞ――――行ったらどんな文句を言われるかわかったもんじゃない。
近所のお姉さま方を全力で捌いた結果、八百屋のお兄さんは灰色になりました…
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