ダイヤと真珠
手にしたあこや真珠のネックレス
乳白色の肌に虹色の光が浮かび
連なる小さな粒に何人もの自分が映る
じっと見つめていると
柔らかな輝きは神秘に満ちて
有機物の温かな美しさで
心を満たす
けれど真珠は
身体の中に異物を入れられた貝が
その痛みをかかえながら
人知れず長い時間をかけて
少しずつ少しずつ
自分の力で治癒した賜物
人は未来に向けて
夢に向かって自分を磨き
積み重ねた努力で夢を叶え
時にまるで武骨な原石が
まばゆい光を放つダイヤモンドに
生まれ変わることがある
思い描いていた夢に向かって
時を無駄遣いせず
一歩一歩 歩む努力を私はしたのだろうか
何ものにもなれていない自分に失望し
ダイヤモンドにはなれなかったと
落胆していたけれど気が付いた
たとえダイヤモンドになれなくても
年月を重ねた層からにじみ出るような
温かな光を放つ真珠を目指せばいいんだと