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【2025年7月30日完結!】天界の司書、転生したら最強でした!  作者: 愛猫私


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第47話

第47話 傲慢の悪魔3


 水滴が空中にある何かにへばり付いており、空間が歪んで見える。

 

 「悪魔は不可視化の能力を使っているのかもしれません!ボーガン様はただ操られているだけのようです!」

 

 戦況を見ていたマルスが傲慢の悪魔の能力を見破った。

 

 「悪魔を見破るマジックアイテムでも見えないとなると厄介でありんすね。」

 「でも、実態がある悪魔みたい。今ならどこにいるかわかる。」

 

 藍は歪んだ空間へ銃弾を撃ち込んだ。

 そのとき、ぶちぶちと何かが引き裂かれる音と共に右足を失ったボーガンが銃弾の前に立ちはだかった。


 「さ、させるか!」

 血を吐きながら銃弾を水星剣アクアリウゼムで切り裂いたボーガンは、空中に浮いていた。

 

 「もはや人形のようでありんすね。」

 「このままだとあの人死んじゃう。」


 胴を貫かれ、足もちぎれ落ちた状態のボーガンからはおびただしい血を出している。

 

 「本体を攻撃しようとするとヒューマンを盾にしてくるあたり、確実に透明なあれが悪魔の本体で間違いありんせんね。」

 「本体が分かるようにする!『水手榴弾(ウォーターグレネード)』」


 藍は複数の水球を放り投げた。炸裂する水しぶきは、透明な悪魔に付着し姿が薄っすらだが分かるようになった。

 

 「大鉄扇投扇興奥義『桐壺(きりつぼ)』」

 

 竜巻上の暴風が、ボーガンと不可視の悪魔を飲み込んだ。

細かい風の刃が鎧を切り裂く音とボーガンのうめき声が聞こえた。

そのとき。


「ぎぃぃぃぃぃ!」


悪魔の叫び声が聞こえた。

ようやく本体に攻撃が直撃した証拠である。

しかし、その声と共にボーガンがぐったりし動かなくなった。

剣を落とし、大量の血にまみれ、傷だらけの鎧のまま、頭を垂れピクリとも動かなくなった。


「ボーガン様!」

マルスが叫ぶが返答はない。


「ぎぃぃぃぃぃぃ!」

傲慢の悪魔の声だけが聞こえる。


「申し訳ありせんが、このまま悪魔を討伐するでありんすよ。」

「わかった!」


藍が答えた瞬間、ボーガンはその場に倒れた。

そして、アサルトライフルの銃口を向けた途端、バチン!っという音共に藍の手からアサルトライフルが吹き飛んだ。


「な!体が・・・!」

「どうしたんでありんすか!」

「体が動かない!」


藍の手にはアサルトライフルの代わりに水星剣アクアリウゼムが握られていた。


「悪魔の仕業でありんすね!」

「体がいうこと聞かない!」


藍は翠に向かって切り込んでくる。

翠は攻撃をいなしながら、悪魔をとらえようとするが、すでに水滴が無くなっておりどこにいるかわからなくなっていた。


「また姿をくらましたでありんす。このままだと、藍を傷つけてしまうでありんす。」

 「お姉ちゃん、うちごとやっちゃって!」

 「そうはいかないでありんす。」


 風の刃を空中に向けて放っているが、傲慢の悪魔には当たらない。

 その隙を付くように藍が攻撃を仕掛けてくる。

 水の精霊の藍の力を吸収するように水星剣アクアリウゼムが真価を発揮する。

 刀身が水で覆われ、ただの斬撃の範囲が見違えるほど広くなっていた。

 

 「ぐっ!威力が上がっているでありんす。」

 「この悪魔、うちの魔力まで操れるみたい!」

 「それは、難儀なもんでありんす。防戦一方じゃ埒が明かないでありんす。ちょっと痛いでありんすが、我慢するでありんす。」


 そういうと翠は、藍から距離を取り大鉄扇で大技を放った。

 

 「大鉄扇投扇興奥義『真木柱(まきばしら)』」


 四方の地面からつむじ風が発生し、中央にいる藍目掛け砂塵となって、着弾した。

 

 「ぐっ!」

 藍は砂塵のなかに閉じ込められた。

 

 「もう少しの辛抱でありんす。」

 

 空中を舞う砂が傲慢の悪魔の姿を映し出していた。

 しかし、砂塵の牢獄にいた藍が、水星剣アクアリウゼムと自分の魔力を使い激流を生み出した。

 砂塵の牢獄は内側から大量の水で打ち破られた。


 「お姉ちゃん、ごめん!」

 「さすが、藍というべきでありんすかね。」

 

 解き放たれた藍は、勢いよく踏み込み翠目掛け切り付けた。

 その時、傲慢の悪魔がようやく言葉を発した。

 

 「剣技『激流葬』」

 「お姉ちゃん!」

 

 翠は大鉄扇を盾にして攻撃を受けた。大量の水とともに放たれた一閃は、大鉄扇もろとも押し流した。

 水が引き、びしょぬれで横たわる翠が何とか起き上がろうとする。

 その瞬間を狙い、操られた藍は翠の命を刈ろうとした。


 「お姉ちゃん!避けて!」

 

 ハッと声のする方を見た翠はダメージで動けない。

 そこに叩き込まれる水星剣アクアリウゼムの一撃が放たれた。


 ザン!っと切り捨てられる音が鳴ったところにいたのは、マルスだった。

 藍の攻撃を自らが盾になることで、翠を守った。


 「ぐぁ!」

 鎧も紙のように切り裂き血を吹き出すマルス。

 目を見開いた翠と藍。

 

 マルスはその場に倒れそうになったが、力を振り絞り、藍に抱き着き動きを止めた。

 

「翠殿、今のうちです。悪魔にとどめを・・・。」

 

 マルスは口から血を流しながら、藍を抑えている。


 「不甲斐ないでありんす・・・。この瞬間を無駄にはしないでありんすよ。」

 

 そういうと、先ほど四方から発生したつむじ風の跡に魔法陣が刻まれており、大きな光の柱が藍とマルスを囲んだ。

 

 「操っている悪魔もそう遠くにはけないでありんしょう。この大規模な範囲攻撃ならいけんしょう。悪魔退治のために編み出した投扇興奥義をくらうでありんす。」

 

 「大鉄扇投扇興奥義『夢浮橋(ゆめのうきはし)』」


 光の柱は互いに結びつき大きな柱となった。

 風属性ではなく、完全なる陽属性による浄化の超範囲攻撃が藍とマルスを包んだ。


 「ぎいいいいいいいいいぃぃいぃぃぃ!」

 

 傲慢の悪魔の大きな断末魔が聞こえた。

 光の中にいる藍とマルスにダメージはない。翠は悪魔だけを浄化してみせた。

 



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