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【2025年7月30日完結!】天界の司書、転生したら最強でした!  作者: 愛猫私


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第22話

第22話 地獄の門


 リンは、ダンジョン内にある地獄の門の前に立っていた。

「なぜあなたがここにいるんですか?クロムウェル。」

「なぜも何も、地獄の門が開いてしまってたくさんの悪魔が地上にでてしまったので、どうしようかと思いまして、右往左往しているところですよ。」

「地獄の管理者とは、名ばかりですね。」

「魔人のあなたには、中間管理職の悪魔の気持ちなんてわかるわけがないじゃないですか。」

「知りたくもありません。いいからそこをどいてほしいんですが。」

「そんな冷たいこと言わないでくださいよ。これも何かの縁。ここは協力し合いましょう。」

「協力?」

「そうです。地獄側では多くの悪魔が逃げてしまったことで労働力が減ってしまいました。たくさんの悪魔がなんの労働をしていたかなんですが、堕天使ルシファーと堕天使ミカエルの檻を封印していたのです。今回の地獄の門が開いたことで、封印を行っていた悪魔たちも逃げ出してしまい、あげく、檻にいたルシファーとミカエルも姿を消しました。」

「それは一大事ですね。」

「他人事ではありませんよ。ルシファーとミカエルは、かなり強力な堕天使です。地上で何をしでかすかわかりません。そこで、この二人を地獄に戻すお手伝いをしていただけるのであれば、悪魔祓いの詠唱をお教えします。どうでしょう。いい話でしょ?」

「悪魔全員を地獄に戻すよりルシファーとミカエルを地獄に戻す方が簡単だとでも?」

「いや~。どっちもどっちでしょうね。しかし、悪魔祓いの詠唱は、今の世の中に必要とされる代物ではありませんか?」

「確かに一理ありますね。しかし、協力しないと言ったらどうなるのですか?」

「その場合、地獄側は何もしません。というか、ルシファーとミカエルについては、手にを得ません。神が地獄を作ったときに一緒に封印されたお二人ですから、実力のほどはわかりませんが、檻の外からでもわかるほどの邪悪さは私も今でも慣れません。」

「私の一存では決めかねますね。私の主に相談してもいいですか?」

「そりゃあ、もちろん。んで、地獄の門は閉めていかれるので?」

「はい。そのために来ましたから。」

「では、私の連絡先を。地獄の管理室直通となっています。」


クロムウェルは地獄の門の奥へ消えていった。

リンは地獄の門の扉を押し、閉ざした。

「とりあえずの処置はしましたが、ルシファーとミカエルの件、まずそうですね。」


―――――


 フィルは、リンからの話を聞いて驚愕した。その驚愕ぶりに皆が驚いたほどだった。

 「ルシファーとミカエルだって?・・・」

 「はい。地獄の管理者の悪魔クロムウェル直々に聞いた話ですので、嘘ではないかと思います。」

 「地獄に戻すって話だけど、戻したとしても檻が機能していなければ意味がない。そのクロムウェルとかいう悪魔と直接話してもいいかな?」

 「はい、それはもちろん。これが念波先です。」

 

 フィルは、記載された位置に念波を飛ばした。

 「こちらリンス・ガールデンの召喚主のフィル・バン・アドレニスと申しますが、クロムウェルという悪魔はご在席ですか?」

 「はいはい、こちらクロムウェルでございます。フィル様どうなさいましたか?」

 「リンから話は聞きました。いくつか質問したいことが。」

 「どうぞ、何なりとお申し付けください。」

 「まず、一つ、地獄の檻は今どうなっていますか?」

 「はい。破壊されています。修復に人員を割いていますが、神が作った檻のため、復元は見込めません。」

 「二つ、それの状態でルシファーとミカエルを地獄に返したとして、どうやって大人しくさせるつもりですか?」

 「厳しいところを突いてきますね。正直、地獄としてはなす術なしというのが今のところです。しかし、門の封印が施されれば、脅威はないかと思っております。」

 「・・・。嘘だろ。」

 フィルが声を低くし威嚇するように言った。

 「ミカエルはともかく、ルシファーは地獄の王にするつもりだろ。」

 「はて、そのような憶測でクレームをつけられましても、地獄の門を開けたのはそちら側でしょう?」

 「地獄の門を開けたからと言って檻が壊れるわけがない。檻に捧げる悪魔を逃がしたな。」

 「さて、私には答えかねる質問ですね。」

 「くそ、悪魔が。」

 「悪態をつかれましても、今回の取引は、ルシファーとミカエルを地獄に戻していただけるのでしたら、悪魔祓いの詠唱をお伝えするということ。それが飲めないようでしたら、地獄側はどうにもできません。」

 「悪魔祓いの詠唱?知らないとでも?」

 「すでにご存じでしたか!?それでは、交渉材料になりませんね。」

 「他には何もないのか?」

 「そうですね・・・。ルシファーとミカエルの居場所くらいですかね。」

 「それはこっちでどうにかする。とりあえず、地獄側との取引はなしだ。主の名のもとにおいて、聖なる鉄槌が下されることを祈る。」

 「痛っ!?私に八つ当たりしないでください。これ以上は、身の危険を感じますので失礼します。では。」

 クロムウェルは一方的に念波を遮断した。

―――――


 「フィル様。悪魔は信用できません。」

 「そのつもりだよ。とくに今回は、ダンジョンの踏破自体仕組まれていたと思った方がいい。大量の悪魔の対処もそうだけど、ルシファーとミカエルは僕でも倒せるかわからない。来る戦闘のための準備をしないといけない。ちょっと出し惜しみしている場合ではないかもしれないな。」

 「堕天使ルシファーと堕天使ミカエルはそれほど強いでありんすか?」

 「今のままでは、到底足元にも及ばないだろうね。」

 「フィル様がそうおっしゃるのであれば、私たちも身を潜めるようなことをしてる場合ではないわね。」

 「ヒューマンに素性をばれるのを気にしている暇はないということですね。」

 「いつあいつらが動き出すかわからない。僕は早急に準備を進めるよ。」

 「悪魔たちの動向はリンを中心に街の見回りを行った方がよさそうですわね。」

 「街に異常現象が起こった場合は、僕に教えてほしい。悪魔かあいつらの仕業だと思うから。」

 「かしこまりました。」



 フィルがこれほど恐れる堕天使ルシファーと堕天使ミカエルの存在が明らかになり、伝説級の人外である4人も戦々恐々としていた。

 



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