~2~ わたしの日常
もみくちゃになりかけながら、一般科体験をして生徒会室に戻った。
「っ!西園寺お嬢様!!!!ご無事でしたか!!!??!ああぁ、そんな御髪も乱れて、、、、それでも生徒会長としての使命を果たし、焼きそばパンを持ち帰られたのですね!!えらいですわ、、、!」
扉を開けてすっ飛んできたのは、如月 凛。感想を述べるだけ述べて、今は髪を梳かしながら、なでなでされている。
彼女とは、家同士の関わり合いがあり、学校では私のお付きとして、常に行動を共にしている。
家同士の関わり抜きにしても、過保護すぎる気もするけど、、、、
「、、うん。一般科の子たちのお昼は過酷な戦場だったかな、、、。これも、改善の余地が、あると思う、、、、、。」
「やはりそうでしたか。前会長は、特進科の生活環境を整えることに必死で、一般科はないがしろにしていたという話がありましたものね、、、。」
一般科と特進科の生徒の使用する教室や食堂は全く異なる。
前会長は、ある程度のお金持ちではあったようだけれど、まだまだ顔を広げていきたい野心家であった。
そのため、特進科の生徒への(というよりその家族)アピールとしての活動を優先していたみたいだった。
結果、一般科の使う施設は、生徒数に合っていないし、老朽化も進んでいて良い環境とは言い難い。
それでも一般科の生徒数が減らないのは、偏に学費無償制度のおかげだ。
特進科の寄付と、一般科の学力、お互いに頼って成り立っている。
だから私は、教室や食堂の格差を無くすため、一般科に紛れて昼休みを過ごしていたわけだ。
、、、にしても、、、、、大海 真、くん、、。
同じ学校内で、あんな気軽な会話ができるなんて思わなかった。
生徒会長として表に立つ際は、話す言葉は事前に決め切って、髪も結い上げ、切り替えて過ごしている。
変装がうまくいったのか、大海くんが生徒会長とか特進科生徒への興味が無いだけかもしれない。
私の家系、西園寺家は純日本人ぽい苗字だけれど、海外にルーツがある家で、なんやかんやの経緯はあるけれど、有り体に言えば石油王の家系だ。
家族は甘やかしてくれるし、他人とは今まで生きてきた中では、私の機嫌を損ねないように顔色を伺われながらの会話しかしたことが無い。
「お嬢様~髪は結上げますか?」
「うん。、、一般科潜入、今日は、、、、成果得られたからもういいかな、、、、。」
「かしこまりました!編み込みいれつつ、ここはこうして、、、、」
凜は、小さな頃から一緒だから気安い仲だけれど、やはり主従関係が見え隠れする。
だから本当に、初めてだった。もしかしたら、対等な、友達、になれるかもしれない。
もっと、話してみたい。
「、、、凛、、。あ、明日も一般科行ってくるから、、。お昼は1人にしてね、、、。」
「なんと熱心な、、、!凜、感激ですわ!でも、お近くでお守りできないのだけが心残りです、、、、。どうかお気を付けくださいませ、、!!!」