第86話 鉱物ダンジョン
今日は鉱物ダンジョンに来た。
1階にガーゴイル、2階にゴーレム、3階にメタルマシン。フロア数は少ないが1フロアが広く、1フロアにセイフティゾーンが5〜6箇所ある。
1階は鉄、青銅、銅、爆弾石の錬金素材になる爆弾鉱石、希少価値が低い宝石。
2階に銀、鋼、魔鉄、ほどほどの宝石。
3階に金、プラチナ、まあまあな宝石、稀にミスリル、もっと稀にアダマンタイトやオリハルコン。
ハナとリザが1階と2階の魔物を蹂躙した。
他のパーティの邪魔をしてはいけないと思っていたのにリザがドラゴン化するのを目撃したパーティがほとんどらしく『どうぞお進みください』と譲られてしまったのだ。
ハナが調子に乗るのでつまみ上げて『他のパーティの皆さんにも魔物を残しなさい』と叱ったら『猛獣使いだ…』とヒソヒソ声が聞こえた。リザは父さんから『やりすぎだ』とゲンコツを落とされていた。
いたたまれないのでぺこぺこしながら最上階に逃げた。ハナを片手で抱えて逃げ…最上階へ向かう途中でゴーレムに襲われたので薙ぎ払ったらドロップ品に変わったけど拾わず逃げ…拾わずに最上階に向かった。
最上階に挑戦するパーティは、ほとんどいないらしい。今日は誰も進んでいないとのことだったので遠慮なく殺れる。
最上階に着くや、リザとハナが左右に分かれて走り出したので私とアルバロはハナを追った。
可愛い仕草なのに威力満点な熊パンチで、どの魔物も一撃だった。同時に四方からハナを攻撃しようとするメタルマシンだけ薙ぎ払ってハナの気が済むまで倒させた。
「休憩しようよ」
メタルマシンがポップしなくなったタイミングでアルバロがハナを抱き上げた。
「向こうのセイフティゾーンにリオとリザが向かったから僕らも向かおう」
「うん」
「たくさんドロップしたねえ」
セイフティゾーンで落ち合ってドロップ品の数を確認したら1階と2階のドロップ品はそれぞれ10〜20だが3階のドロップ品は3桁を超えた。
「昼飯を食って一休みしたらまた倒そう」
「そうですね!」
脳筋のリザが大賛成だ。
ランチはホットサンドにした。中央に具材を山ほど出したら、全員1つずつホットサンドメーカを持って好きに焼いて食べるのだ。
ハナの分は私が焼く。
「ハナは何を挟む?」
「うー…迷っちゃう……」
「じゃあ私がいくつか焼くから半分こしようか」
「うん!」
視線を感じたと思ったらアルバロだった。
「アルバロも同じのにする?」
「する!」
コンビーフと千切りキャベツとチーズ。
「おいしー」
予想通りハナの好みだった。
トマトとモッツァレラチーズとバジルでマルゲリータ。
「バジルがきいてるね!美味しい」
これはアルバロの好みだった。
ミートソースと半熟卵。
「おいしー」
「僕も好き」
3種類も焼けばハナも私も満足だけどアルバロは足りないだろう。
「ハムとチーズを限界まで挟んでみなよ」
私に言われるがまま、アルバロがハム、チーズ、ハム、チーズと6回重ねてギチギチの状態で焼いた。
「これも美味しい!」
ハムと溶けたチーズの組み合わせが気に入ったようだ。
食後は最上階の魔物を倒しまくった。今日のドロップ品を買い取りしてもらったら武器を買った分を補填出来るかな?必要だし私も買ったし、いいんだけど父さんの武器、高すぎ!




