表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/331

第70話 錬金ギルドと仕立て屋

今日は錬金ギルドに来た。


「待たせて悪かったな、安定した品質でポーションを作れるレシピの話だ」


 それぞれの等級の各種ポーションを安定して作る方法と材料一覧が売れた。今後50年、特許料金のように使用料が毎月入ってくるらしい。父さんてば夢の不労所得だ。


「良いなぁ、魔物寄せロープもレシピを買ってくれたらいいのにー!」

「え!売ってくれるのか!?」

「買ってくれるの!?」


 相談の結果、買ってもらえることになった。父さんのポーション類は売上の4%で私の魔物寄せロープは12%。贅沢品の場合は売れる数も多くないので高く設定するらしい。


 私も特許の権利で不労所得だ。


「ハナに美味しいもの買えるくらい入ってくるといいねえ」

「いちじく食べたい」

「仕立て屋の後で市場に寄って帰ろうね」

「うん」



 元気よく仕立て屋に向かった。今日はお仕立て上がりなのだ。


「いらっしゃいませ!」

「奥へどうぞ」


 奥に通されると注文の品が次々と運び込まれた。確認したら試着だ。実際に着てみて問題ないと確認しないと納品扱いにならないらしい。


「私たち試着に行っちゃうけど…」

「ハナ待ってる」

 ハナがインベントリからお昼寝用の布団を出してごろり。


「可愛い…!」

「すっごく似合うわ」


「お気に入りでよく使っているんですよ。インベントリにしまう前に浄化してっておねだりにくるんです」


 お針子さんたちがキュン顔で一斉に胸を押さえた。


 ハナを任せて奥で着替える。特に冒険者の服は着た状態でいろんなポーズをさせられた。

 町娘っぽい服は全部、肌触りの良い高級な素材で仕立ててもらったので最高だ。デザインも可愛い。15歳くらいまで若返ったから大丈夫だと思う。


「お似合いですよ」

「身長が高くてスタイルがよろしいので、とにかく似合います!」

「えへへ、嬉しいな。このまま着て帰ろうかな」

「お包みしましょうか?」

「インベントリに入れるから大丈夫」

全部納品完了したので試着室を出ると父さんがいた。アニメに出てくるファンタジーな剣士のようだ。


「ぶふぉ!父さんヤバい!厨二病が酷い!めっちゃ似合ってる!悪そう!」

「いいだろ?カナは可愛いな!」


 私のディスをスルーするとはご機嫌すぎるだろう。ぐふぐふ笑いながら戻るとハナがちやほやされていた。


「カナちゃん!」

「お待たせ」

「カナちゃん、浄化して」

ハナがお昼寝布団をボスボス叩く。

「はいはい」

ハナのお昼寝布団を浄化すると「よいしょ」と言いながらインベントリにしまった。


「あ、あの…いつもこんな風に?」

「そう、大切にしてるよ」

お針子さんたちが再びキュンだ。


 横を見ると父さんとリザとアルバロがお互いの服を楽しそうに見せ合っている。みんな似合っている。


「カナさん、最後にこちらを」

頼んでいたペットスリングだ。肩に掛けてハナを抱き上げる。


「どう?」

「これ好き!」

スリングの中のハナがいつもより甘えてくる。


「具合はどうですか?」

「両手が自由になるのがいいね。ぴったり」

ペットスリングも納品だ。

お互いにサインを交わして取引完了した。



 店を出る時、ペットスリングから頭と片手を出して手を振るハナにお針子さんたちが撃沈するのが見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ