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第45話 冒険者っぽい依頼

「冒険者っぽいことがしたい」


父さんの厨二病が発症した。

「薬草でも集めてみる?」

「討伐がいい」

「そういうのは実績がある人が請け負うんじゃない?最初は薬草集めだよ」

「………」




「という訳でギルドに来てみた」

翌朝、父さんに急かされて家を出た。


「Dランクなら受けられる依頼も多いですよ、これなんかどうですか?」

カミロさんが選んでくれたのは調査依頼だった。


「今日届出を受けたばかりの依頼なんです。北に歩いて2日のところにあるケレンカ村からの依頼です。近くの山に魔物の目撃情報がありまして、その調査依頼です。こういう場合、調査結果によって、もう少し上のランクのパーティに討伐依頼が新たに出されたりするんですが、やっちゃって良いですよ」


「いいのか?」

「危険を感じたら逃げてください。でもどうせ倒しちゃうんでしょう?」

 信頼されているのか信用ないのか分からない答えだった。


「依頼は調査ですから現地で魔物の目撃情報を集めて調査をお願いします。魔物の討伐は可能なら、です。魔物が現れた原因を取り除いて現地の人々が安心して暮らせるようになることが最終目的です」


「分かった」

「調査に500,000シルって結構いい値段だね。大きな村なの?」

「いいえ」

「報酬、無理してない?この後さらに討伐依頼を出すと大変じゃない」


「5人のパーティを1週間拘束する想定での標準価格ですよ」


 確かに受ける方からすると、それくらいは欲しい。むしろ移動なんかの必要経費込みだと安く感じる。


「こういう依頼の報酬は国から出るんです。だから標準価格になります。経費込みなので一般の依頼と比べると割りが良くないから避けるパーティも多いんです。その代わりギルドへの貢献度が高くランクアップに影響します」


「じゃ、この依頼を受けていいよな?」

「うん」

「ありがとうございます。まずケレンカ村の村長に依頼を受けた旨を伝えてください。必要な情報が提供されるはずです。調査を終えたらここに村長のサインをもらってください。村長のサイン入りの受領証をギルドに提出したら依頼達成で報酬が支払われます。期限は1か月です」


「分かった。その村の人たちが早く安心して暮らせるようにしてやりたいな」


 さっそく街を出て馬車に乗り込んだ。歩いて2日ってことは100kmか120kmくらい先なので2時間で着いた。村の手前で馬車をインベントリに収納して徒歩で向かう。


「冒険者ギルドから調査依頼で来た」


「もう!?」

「ありがたい!村長に会ってくれ」


 門番の案内で村長の家に着くと中に通された。

「依頼を受けてくださってありがとうございます。山の恵みで生活している小さな村なので山に入れないと生活が成り立たないのです」


 村長さんが情報を取りまとめておいてくれたので聞き取りに回る必要がなく助かった。


「なるほど1週間くらい前から魔物の気配がして狩に行っても小動物を一切見かけないと」

「気配を感じたら逃げるようにしていて、魔物なのか野生動物なのかも分からず恐縮です」

「危険を避ける判断は正しいと思うぞ。さっそく回ってくるから怪しい場所を教えてくれ」


「中腹あたり、村からみて右側が怪しいと思われます」

村長さんが机に広げた地図を指さす。



「じゃあ行くか!」

父さんがちょっと嬉しそうだった。

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