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第321話 ハナは練乳が好き

 今日は休暇の最終日。ハナはアルバロと一緒に温室に行っているので1人でドロップ品を加工する。作るのは練乳だ。



 牛乳とグラニュー糖を鍋に入れて弱火で煮詰める。焦げつかないように鍋底を木べらでこするように混ぜ続ける。


…かなり根気がいる作業だ。牛乳が多すぎた。


 2時間〜3時間ほど混ぜ続けると、とろりとしてきた。冷えると固くなるからこれで完成だ。



── 疲れた。ハナの大好物だから大量に作ろうと思ったけど、思った以上に疲れた。


 出来上がった練乳を浄化魔法で浄化した保存容器に移してゆく。ビン30個分できた。…作りすぎだった。


── それにしても浄化魔法って便利だな。普通なら大鍋にお湯を沸かして煮沸消毒するところを一瞬できれいになっちゃうなんて。



 保存容器に入りきらなかった練乳を使って簡単に練乳クリームパンも作ることにした。パン生地作りはホームベーカリーに任せて練乳クリームを作る。これも簡単だ。


 生クリームをツノが立つまで泡立てたら練乳を入れて混ぜる。これで出来上がりだ、簡単で美味しい。



 使った器具を洗っていたらパン生地ができたのでオーブンにセットした。焼けたパンが冷めたら詰める。ハナとアルバロが戻ってくるまでひと休みしよう。



 こたつでゴロゴロしていたら玄関が騒がしい。ハナとアルバロが帰ってきたようだ。


「おかえり」


 父さんとリザも一緒だった。大喜びのハナに爆なめされて『…うっ』ってなってる2人に乾いたタオルを渡すとゴシゴシ拭いてた。



「旅行はどうだった?」

「なかなか良かったぞ」

 今回もドラゴン化したリザに乗って南の地方に行っていたらしい。


「ねえ、甘いにおいがする」

 再会の興奮がおさまったハナがフンフンする。

「パンを焼いたんだ。ちょっと待ってて」


 オーブンから取り出して冷ましていたパンを取りにいくとアルバロも一緒に来てくれた。飲み物を用意してくれるつもりらしい。


「ありがとう」

「うん。焼きたてのパンって、すごくいい匂いだよね」

「練乳クリームをたっぷり入れるよ!」


 マリトッツオのようにぎゅうぎゅう詰めてやった。



「お待たせ〜」

 父さんとリザが盛大にハナをモフっているところに焼きたてパンとお茶を運んだ。


「さっぱりしたものが良ければ苺をどうぞ。ドロップ品で練乳を作ったんだ。パンに挟んであるのは練乳クリームね」

パンの隣に苺と練乳も並べた。


「ハナぜんぶ食べたい!」

「はいはい」

 ハナ用に少し小さく作った練乳クリームパンと苺を取り分けて、練乳を小皿に入れてやる。


「これは練乳、苺を付けて食べると美味しいよ」

「ありがと!」


 ハナが苺を摘んで練乳をちょいちょい、ぱくん。


「!!」


気に入ったようだ。

「おいしー!」


 ハナがもう一つ苺を摘んでたっぷりと練乳を付けて口に運ぶ。



「ハナ、このパンに挟んであるクリームは練乳クリームだよ。きっと気にいると思うんだ」

「食べる!」


 ハナが練乳クリームのマリトッツォを掴んでぱくん。


「……おいしー!」



 練乳クリームのパンも気に入ったようでパクパク食べている。アルバロと父さんとリザにも好評だ。大量の練乳作りは大変だったけど作って良かった。

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