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第31話 ローレの冒険者ギルド

「とんでもない新人が来ちゃったな!」


 リオたちのパーティが出て行った後、ギルドマスターのフラビオがやっと声に出せたとスッキリした顔になった。猫科の獣人のフラビオは豹並みの身体能力と恵まれた体格の元A級冒険者だ。


「近づいてすぐにヤバいなって分かったぞ、全員かなり強いな、ハナちゃんもヤバい」

「ギルマスでも苦戦しそうですか?」

「負けるな!」

「そんなきっぱりと…」


「でも善良な一般人ですよ」

 ヒューマンのアントニアは戦闘に強くはないが看破と鑑定のスキル持ちだ。カミロが席を立ってアントニアを連れてきた理由はリオ一家を視るためだった。


「申告の通りリオさんと娘のカナさんはハイ・ヒューマン。アルバロさんは親族ではないけれどハイ・ヒューマン、リザさんは竜人族のようですね。ハナちゃんはウルサスの亜種でご家族とお肉とフルーツと高難易度ダンジョンのお散歩が大好きなようです」


「高難易度ダンジョンのお散歩…普通は命懸けで入っていくものだぞ。」

「ウルサスですからね」


「それからな、娘さんのカナさんは浄化魔法を使ったぞ」

「…光魔法を使えるということはエルフの血を引いているということですね」

 エルフのカミロは元冒険者で引退してギルド職員になった。エルフしか適正のない光魔法の使い手なので怪我をした冒険者の治療も行なっている。


「ニオの報告もすごいですね」

「オートマタの馬車だったか?」

「しかも軽々と収納したそうですよ」


「善良なご家族でよかった。早くレベルを上げてもらえたら問題も起こらないだろう」

「ハナちゃんが可愛いしリザさんは美人だしカナさんも可愛いからトラブルにならないといいですね」


「リザさんはリオさんにラブラブなのでちょっかい出すやつもいないだろ」

 リザは初対面の人にも分かるくらい、あからさまにラブラブな空気を振りまいていた。

「リオさんムキムキですもんね」

「カナさんもリオさんに少し似てるから側にいれば親子だって一目で分かるから大丈夫だと思いたい。俺はリオさんが怒ったところを見たくない」


そんな話をしながら査定を進めた。




「カルピオ・パーティがいらっしゃいました」

「お!来たか、通してくれ」


「遅かったり早かったりしていないか?」

「大丈夫だ。座ってくれ」


「まず上等な魔石はそのまま返却だ。王都くらいでないと買い手が見つからん」

クラーケンや上質な魔石は売れなかった。


「うちみたいな田舎だと質の低い魔石が1番需要があるんだ。特にこれから冬になるから暖房の魔道具を動かすために数が必要になる。ただレベルの低い駆け出し冒険者の貴重な収入源だから値崩れさせる訳にいかない。しかし安定供給は絶対だ」


 市場に出回らなくなって値上がりもダメ、市場に溢れて値崩れもダメ。インフラというのはそういうものだ。


「なのでギルドである程度の量をキープする必要があるのでこの等級とこの等級は買い取りたい。買い取り価格がこっちが1つ300シルでこっちが500シル。それぞれ1,000個ずつ。合わせて800,000シル」

「それで買い取りを頼む」

あらかじめアルバロから聞いていた通りの常識的な価格だった。


 中級の魔石もいくらか買い取りになった。クラーケンは商人ギルドに打診するから、それまでインベントリで保存を頼まれた。時間経過無しなので問題ない。


「ハナちゃんはダンジョンに行きたいんだったな?」

「牛乳のダンジョン!」

「ガウガウ可愛いな」


「あのミルクが出るダンジョンはこの街の西門から出て1時間ほどで着く。最初のフロアはスライムで、5階置きにボス部屋がある。ミルクがドロップする牛型魔獣のいるフロアは16階より上だ。チーズや牛肉もドロップするぞ」


「お肉!」

「ガウガウ可愛いな」


通じていないが問題無さそうだった。

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