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第29話 ギルドマスター

「そのミルクは近くのダンジョンで魔物がドロップするやつだ」


「ハナが何を言っているか分かるの?」

「ガウガウ言ってるな、でも顔つきで大体分かったぞ。気に入ったんだろう?」


 ハナのカップを浄化魔法で綺麗にしてインベントリにしまう私の手をハナがくいくいする。

「ダンジョン行く!」

「俺も行きたい」

「そうなると思ったけど先に用を済ませようよ。まずは登録でしょ?」

アルバロの一言で本題に戻れた。


「失礼します」

ノックの後でカミロさんがトレーを持って入ってきた。


「お、出来たか」

ギルドマスターにトレーを渡して私たちに会釈してカミロさんが退室した。


「ギルドカードだ。間違いが無いか確認してくれ」


 私の名前と種族。テイマーの記載とハナの名前と種族。間違いない。


「間違いない」

「私のも」

「じゃあこの魔道具の上に置いて魔力を流せば冒険者登録が完了だ。種族とか隠したい項目は魔力を流しながら念じれば隠せるから後で試してみてくれ」

順番に魔力を流す。


「お嬢さんと従魔ちゃん…ちゃんでいいんだよな?女の子だよな?」

「ハナは女の子です」

「お嬢さんとハナちゃん、それぞれが同じカードに魔力を流してくれ」

私とハナが魔道具の上に置いたカードに魔力を流した。


「全員出来たか?自分のカードを手に取って魔力を流してみてくれ」

魔力を流すと明るく光る。面白いのかハナが何度も流してピカピカさせている。魔力を流しながら種族を隠蔽と念じると種族が非表示になった。




「次に隣の人と交換して魔力を流してみてくれ」

「光らないな」

「それで本人確認になる。犯罪履歴なんかは自動的に記載されるし偽造は出来ない。そのFっていうのが今の冒険者ランクだ。依頼をこなすと上がって行く。頼むから早めに上げてくれ。お前たちに絡むような頭の弱い奴らは冒険者ランクで殴れば黙る」


「分かった」


「次にパーティ登録だったな。全員で登録でよかったか?」

「もちろんだ」

「パーティ名は決めてあるか?」


私たちの苗字が鯉登こいとなのでカルピオ(carpio)になった。センスがない自覚はある。


「全員の冒険者カードを貸してくれ…カルピオ…っと出来た。魔力を流して確認してくれ」

 ギルドマスターが魔道具を操作するとパーティ登録が完了したようだ。カードに魔力を流すとパーティ名が追加されていることを確認出来た。



「間違いないか?問題なければ登録は完了だ。次に買い取りだったか?」


「ああ、魔石がある。あとは魔物の部位も」

「ちょっと待ってくれ、どうせたくさんあるんだろう?」

 ギルドマスターが大きなトレーを持ってきた。宝石店で宝石を乗せてくれるような布張りの高級なトレーだ。


「うちで一番大きなトレーだ」


「まず小さいのがこれ」

 インベントリから巾着をだして口を開けて中身をすくってみせる。

「この中の魔石は全部こんな感じ」

 ギルドマスターがうなずいたので巾着に戻して口を閉めてトレーに置く。量が量なのでずしっと重い音がした。


 インベントリから質の低い順に巾着を取り出す。適当に魔石を放り込んでもインベントリの中で一瞬で振り分け出来るから便利だ。

 4つ目の巾着を出した辺りでギルドマスターの空気が変わったことに気づいたが気にせず出した。


「これが最後」

 巾着から拳サイズの魔石を出してトレーに乗せる。

「それは先日うちの裏庭の海で釣ったクラーケンの魔石だ。クラーケンの肉も半分売りたい」



 ギルドマスターが『やべー奴らが来ちゃったな』って顔してた。

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