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第279話 キャロブで試作

「カナちゃん、おいしいの作るの?」


 キャロブを採取した翌日、ハナが期待に満ちた顔で立ち上がって私の足にしがみついてきて可愛い。

「うん、試作してみようかなって」

 ハナが超笑顔になった。今日もハナが最高に可愛い。


「僕たちは見てるね!」

 アルバロが笑顔でハナを抱き上げた。今日もハナとアルバロに見張られながら作るのか…まあいつものことなので慣れてるけど。


 今日はベイクドチーズケーキ、キャロブを使ったザッハトルテ、ナッツ入りザッハトルテ、クリームチーズフロスティングを挟んだキャロットケーキ、ライスパフとナッツをチョコレート風キャロブで固めたバー、グラノーラを作るつもりだ。


「ふんわりさせないから泡立て無し、混ぜるだけのケーキだよ。ザッハトルテっぽい方はチョコレートの代わりにキャロブパウダーを使うよ」

 どんどん材料を混ぜて四角い型に平らに流して焼いた。ずっしりしたチーズケーキっぽいものとザッハトルテっぽいものは焼き上がりを待つだけだ。


「さて次は…」

 ボウルに卵、グラニュー糖、きび砂糖をよく混ぜる。そこに溶かしたバターを入れてよく混ぜる。

「甘くて美味しいのできそうねー!」


 ハナがご機嫌なのはここまでだった。


 すりおろした大量のにんじんを加えて混ぜる。にんじん嫌いなハナの顔が曇ったけど気にせず続ける。


 薄力粉、アーモンドプードル、シナモンパウダー、ナツメグパウダーを加えてざっくり混ぜたら刻んだクルミとレーズンを加えて生地は出来上がり。これも四角い型に平らに流して焼く。


 焼いている間にキャロットケーキのチーズフロスティングを作る。常温に戻したクリームチーズをホイッパーでクリーム状に練ってグラニュー糖とレモン果汁を加える。

 普通のキャロットケーキの場合は上に塗るけど今回は手で持って食べやすいよう薄くスライスした生地の間に挟む。


「次はチョコレートっぽいよ」


 キャロブパウダーと砂糖とココナッツバターを湯煎で溶かしてよく混ぜる。そこにナッツや刻んだドライフルーツ、ライスパフを加えてよく混ぜて平らに広げる。冷めて固まったら完成だ。



「グラノーラも作るよ」

 ボウルに砕いたナッツとオートミール、蜂蜜、オリーブオイルを入れて混ぜたら、天板に広げてオーブンで焼く。

途中でオーブンから取り出して全体を混ぜ合わせたら熱いうちに刻んだドライフルーツを混ぜて冷めたら出来上がり。平たく固めたものを細長くカットしてグラノーラ・バーだ。


「これ絶対ハナが好きなやつ!」

 蜂蜜とナッツ入りなので間違いなくハナの好みだろう。グラノーラ・バーへの期待でハナの丸い尻尾がぴこぴこ揺れて可愛い。


「今日作ろうと思ったのはこれで全部だよ」

 全部を細長くカットしてお皿に並べた。


「試食?」

「食べてみようか」

「ハナ、パパとリザちゃん呼んでくるー」

 ハナが四つ足で駆け出したのでアルバロと一緒に紅茶の準備をした。



「たくさん作ったな!さすがカナだ」


父さんが今日も親バカだ。


「まあ試食してみてよ、全部混ぜるだけで簡単なんだ。ハナは全種類?小さく切ろうか」

「うん!」

全種類をカットしてハナのお皿に乗せた。


「このチョコレートバーみたいなのは溶けやすいから気温の高い場所や季節には向かないんだ」

「…うまい。本物のチョコレートと言われたら信じてしまうな」

「風味が似てるよねえ」

「グラノーラもいいな、これは栄養があるぞ」



「全部おいしー」

ハナがご機嫌で完食した。


「キャロットケーキも美味しかった?」

ハナがハッとした。


「忘れてたのよ…」

「にんじん気にならなかった?」

「おいしかったよ」


「お!今度からご飯の時ににんじんを食べるのか?」

「ごはんとケーキは別なのよ」


 父さんが揶揄うとハナがキャロットケーキとにんじんは別だときっぱり否定した。


にんじん嫌いなハナは可愛いのだ。

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