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第241話 新居

 父さんとリザが自分達の新居に帰ったので私たちも奥のプライベートエリアに移動するとハナがウキウキと一部屋ずつ見て回るのでアルバロと一緒に後を追った。


「ここがハナの部屋だよ」

「ありがとアルバロ。でもハナ、おばあちゃんの匂いがするお部屋が好き」

ハナは我が家の部屋に愛着があるようだ。


「じゃあ夜は向こうで眠る?」

「うん」

 そうなると私たちも向こうで生活だな。起きた時に同じ家の中にいないとギャン泣きするんだからハナは可愛い。


「ちょっと待って…えい!!」

 アルバロの掛け声で今いる部屋が我が家にあるハナの部屋になった。家具や小物はないけど同じ畳の部屋で床の間もある。


「ハナのお部屋をコピーしたんだ。まったく同じだよ、どう?」

ハナがフンフンした。

「ここもおばあちゃんの匂いがする」

「コピーだからね!ハナはこの部屋で生活するのは嫌かい?」

「嫌じゃないよ!ありがと」

「じゃあこっちのお部屋に置くものはハナが気にいるものを少しずつ揃えていこうか?」

「うん」


 業務用キッチンに移動すると父さんたちの方に無かった階段状のものがあった。


「これはハナの見学用の場所。ハナ、登ってごらん」

 アルバロに促されてハナが階段状のものを登ったり降りたりするが余裕を持って作ったようで見てて安心だった。


「登りきった段でハナが座って調理を見学できるよ」

「うれしー!ありがとアルバロ」

 いつも足元をちょろちょろして危なかったので助かる。アルバロは気が効くな。


「それにしても凄い設備だね!」

「カナに思う存分スイーツを作ってもらいたいから!」


アルバロがキラキラしている。


「その前に今日の夕飯じゃない?ハナのお散歩もあるし」

「そうだね!お散歩に行こうか」


 ハナとアルバロと3人で我が家に続くドアを通ってお散歩ダンジョンに行った。今日は森林フィールドでトレント系の魔物がたくさんポップしてハナがえげつない威力の風魔法でばったばった倒した。ドロップ品は木材やロール状の紙、木の実やフルーツ、錬金素材になる葉や実など種類豊富だった。



「いっぱい出たねー」

 木の実やフルーツなどハナの好みのものがドロップしたのでハナの機嫌がいい。


「そうだね、今日は昨日ドロップした鮭でご飯にしようか」

「やったあ!」

 朝食も鮭だったが夜も鮭だ。ハナが喜ぶなら問題ない。



 新居のキッチンに入るとハナが真っ直ぐに見学スペースに陣取った。


「鮭のシチューにしようか」

「好きー!」


 鮭の切り身をぶつ切りにする。ハナの期待に応えて多めにカットした。

 塩胡椒をふって小麦粉を全体にまぶした鮭を香ばしく焼いたら取り出しておく。玉ねぎ、小房に分けたしめじとスライスしたマッシュルーム、カットしたほうれん草をバターと小麦粉と一緒に炒めて豆乳を加えて煮込むととろみがついてくる。鮭を戻し入れて塩胡椒とコンソメで味を整えたら完成だ。


「いいにおい…」

ハナが目を細めてフンフンする。


「今日はアイテムボックスの中のパンと合わせようか」

「カナちゃんのパン好き!」


 アルバロが新居のリビングにちゃぶ台を出して真ん中に大きな鍋ごとシチューを置いてくれたのでアイテムボックスからパンの籠を出す。


「パンはこれ。好きなのを取ってね」

 今日はバゲット、胡麻とチーズのパン、トリュフバターの塩パン、甘くないコーンブレッドなどを盛り合わせた。


「うむ。遠慮なくいただこう」



── 1人多かった。

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