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第237話 ハナの神々

「お土産まで貰っちゃって悪かったな!」

「気を使わせちゃったわね!」


 ハナに加護をくださった神様たちがキャッキャはしゃいでいる。強い神様ばかりだったし死神まで混ざっているとは予想外だ。勧められて同じテーブルについた私と父さんは空気に同化することにした。


「ねえ、これ食べてもいい?」

美味うまそうだよな!」

「生どら焼きには日本茶が合うよ」

 アルバロが自分のアイテムボックスから急須と湯呑みを出して手早くお茶を淹れた。私たちは空気になりきって気配を消しているが普段から平常心のリザはいつも通りだ。


「ねえ、これはどう違うの?」

「右端のは粒あんの上に生クリームを絞ったやつ」

「生クリームと粒あんが別々なんだな」


「その横は生クリームと粒あんを混ぜたクリームを絞ってあるんだ。カナの配分が絶妙ですっごく美味しいんだよ!苺と栗と抹茶は色で分かるよね」

「クリームが高さ5cmはあるな!」

「ガブッといくわよ」

 大きく口を開けても美男美女で麗しいなと空気に同化しながら思った。


美味うっまー!」

「粒あんと生クリームって合うのね!」



「ハナも食べたい〜」

「ごめんごめん、すぐに出すね」

 空気になっていたらハナがぐずって正気に戻ったのでハナ用に小さく作った生どら焼きを出した。


「どれがいい?」

「栗!」

 ハナの小皿に栗の生どら焼きを取ってやると両手でつかんで食べだす。


「おいしー」

「よかったね」

 細かく浄化魔法をかけてクリームでべとべとになった手や口元をきれいにしてやる。


 ハナはいつものようにマイペースに完食した。

「おいしかったー」

「よかったね」

 仕上げの浄化魔法をかけてお茶を飲ませてやると落ち着いた。



「よかったな…」

「とっても大切にされているのね」

 死神たちがハナと私を見てメソメソ泣いていた。


「ハナに会わせてくださってありがとうございます」

「いやいやいや、無事に会えてよかった」

「元気でやってるようで加護を与えた甲斐があるわ」


「ワシの加護は凄いんだ」

軍神テュールの加護は“不敗”だった。

「テュールったら私の真似をしたでしょう」

戦いの女神カーリーの加護は“常勝”。


「俺たちの加護は工夫次第でいろいろ出来る」

「使い勝手がいいだろう」

 雷神トールの加護でSSRの雷魔法を使えて、風神の志那都比古しなつひこの加護でSSRの風魔法、火の神の迦具土かぐつちの加護でSSRの火魔法を使えるらしい。


「ハナちゃんの安全を願うならワシの加護が1番だ!」

死神チョルノボーグの加護は“無敵”だった。


「それじゃハナちゃんの成長が見込めないじゃない、チョルノボーグのバカ」

「お前らは心配の度合いが足りぬ!」

 神様たちが喧嘩を始めたけど平和なことに口喧嘩だったのでスルーした。もしもの時はアルバロが止めてくれ。



「ハナちゃんの加護が無敵かー!」

「それじゃあ私たちがハナのおねだりに負けちゃうのも仕方ないよねえ」

「勝てないよなあ!」


 ハナの可愛らしさは最強であると父さんと盛り上がったら神々がいつの間にか喧嘩をやめて残念な親バカを見るような目で私たちを見ていた。

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