第232話 葡萄の収穫
毎日、新米のコシヒカリ、ミルキークイーン、ササニシキなどを堪能して美味しい日々を過ごしていたらワイン用の葡萄の収穫期がやってきた。
「収穫も仕込みも一度体験してるから前回よりも楽な気がするね」
全体の流れを体験しているので次にやることも分かっているし手際よく動ける。
「前回よりも早く終わりそうだな」
「樽で6カ月から3年くらい寝かせたら飲めるようになるじゃん?この前仕込んだのがそろそろ飲めるんじゃない?」
「そうだな!」
「仕込みが終わったら試そうよ!」
頑張る理由ができたので父さんと私が俄然やる気になり張り切って仕込んだ。
「これで終わり!」
ワインの仕込みが終わった。前回仕込んだワインを美味しくいただきたいのでアルバロたちに提案した。
「今日は避暑に行った北の山脈温泉に行かない?」
「休暇?連日忙しかったし、いいんじゃない」
「休暇の意味もあるんだけど、出来立ての白ワインでチーズフォンデュしたいなって、涼しい方が美味しく感じるでしょ?」
「いいね!」
全員賛成で北の山脈温泉に行くことになった。お酒嫌いなハナもチーズフォンデュは大好きなので喜んでくれた。
野菜を蒸してバゲットを切ってキノコや海老、ソーセージ、ハムなどを用意して飲み物はサングリアを作った。ハナには蜂蜜酒だ。
「具材の用意ができたね」
「さっそく始めよう」
切ったにんにくの断面を鍋にこすりつけて香りを移したら白ワインを入れて火にかける。軽く沸騰させたら弱火にする。すり下ろしたチーズを加えて溶かせば準備OKだ。
「溶けたな、食おう!」
「ハナ、海老たべる」
海老を串に刺してチーズにくぐらせてぱくり。
「おいしー」
「私はアスパラのベーコン巻きから…はい美味しい!」
「ソーセージが10倍美味しくなりますね」
リザは今日も肉食だった。
「ちくわも合うね」
チーズ入りちくわが好きなので間違いない組み合わせだ。
「ハナもちくわ好き」
「焼き餃子も合うぞ、試してみろ」
恐る恐る試してみたら激ウマだった。イタリアンぽくなるかも。
「なにこれ合う!美味しいからハナも試してごらん」
ちょいちょいとチーズにくぐらせてぱくん。
「おいしー!」
「合うだろ?追加で餃子を焼くからたくさん食えよ。普通に餃子を食って合間にチーズにくぐらせて味変しても美味いぞ」
父さんが焼いてくれる餃子は美味しいしチーズもサングリアも美味しいし今日も食べすぎた。




