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第227話 ムキムキ

 アガーとゼリーの契約を交わして海藻のサンプルを置いて秘境の我が家に戻ってきた。海藻を探して養殖する手配は商業ギルドに任せることにした。



「カナ」

「どうしたの父さん」

「カナが作ったトレーニングルームあるだろ?俺にも使わせてもらえないか」

「自由に使ってくれていいのに。私に断る必要ないよ」


「トレーニングマシンなんかを置きたいんだ」

「ハナが自由に出入りするから置きっぱなしだと危ないかも」

「そうか、そうだな。アイテムボックスに入れておいて使う時だけ出すことにしよう」


「父さんがトレーニングする時は柵かなにかで囲んだ方がいいかも。ウエイトトレーニングもするんでしょう?」

 バーベルなんかの周りをハナがちょろちょろすると危ない。

「そうだな、柵も買おう」



 それから父さんがトレーニングにのめり込んだ。アルバロも付き合って2人で筋肉を自慢し合っている。


「筋トレって楽しいね!」

「アルバロもナイスバルク!」

「リオこそ逆ガリガリ!」

「腹筋がカニの裏側!」

「国立筋肉博物館!」


 父さんとアルバロが謎の呪文で会話を始めた。



「俺たちの今日のご飯はブロッコリーとササミとゆで卵の白い部分だ」

「デザートはプロテインね!このメーカーのチョコ味とマンゴー味が美味しいんだよね」

 アルバロがプロテインをシャカシャカしながらご機嫌だ。


 とても付き合えないので私とリザは2人で普通のご飯を作ることにした。もちろんハナのご飯は私たちと一緒だ。



「リオったら仕上がってる!」

「アルバロもキレてるな!」

「ノーベル筋肉賞!」

「僧帽筋が威嚇してる!」

「いい血管出てる!」

「おいおい、なんだそのセパレーション(筋肉の割れ目)は!多すぎて数えられないぞ!」


2人の呪文が進化した。

引き続き私たちのご飯は別々だ。



「彫刻みたいな体!」

「腹筋6LDK!」

「ふくらはぎ子持ちししゃも!」

「よっ、阿修羅像!」

今日も2人で筋肉を見せ合っている。



「2人ともキモい」

はっきり言ってやった。


「なに言ってるの!見てよリオのケツのキレがバームクーヘンでしょ!」

 父さんが後ろを向いてプリっとした尻を見せてくるが父親の尻など見たくもないのでゴミを見るような目で見てやった。


「カ、カナ…?…ハ、ハナちゃん!どうだ?パパのお尻は脂肪が落ちて臀筋群にバームクーヘンのような筋が入って美味しそうだろう?」


「やだ。全然バームクーヘンじゃないし」

 ハナが冷ややかに見返した。汚いまで言わないハナは優しくていい子だと思う。


「リザは?ほらほらマッチョの枯山水でしょう?リオの筋肉のセパレーション(筋肉の割れ目)が枯山水の溝みたいで風流でしょう?」

 父さんがくるりと回ってムキっとアピールするがリザが無言だ。



 それから父さんとアルバロが普通のご飯を食べるようになった。相変わらず筋トレはしているけど常識の範囲内なので家庭の平和は守られている。


 ご訪問ありがとうございます。

5月30日の更新で転移編が最終話となる予定です。

その後は少しお休みして眷属編として再開予定です。再開後も毎日更新できるようお休み中に準備したいと思いますので引き続きご訪問いただけましたら幸いです。

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