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第218話 梅仕事

 私が元気になったので全員で我が家に戻り、私とハナとアルバロで田んぼやコットン畑、葡萄棚、養殖場などを回った。

 私たちが田んぼや畑を回っている間に父さんとリザが梅干し、実山椒、らっきょうを漬けていた。それを見ていつの間にか梅が旬を迎えていたと気づいた。もともとスーパーで青梅を見かけてやっと梅仕事の季節だと気づくくらい私は旬に鈍い。


「父さん、少し梅を分けてもらえないかな」

「いいぞ。どのくらいだ?」

「梅酒をつけてみたくて」

 梅酒ってあまり飲まなかったけど漬けてみたくなった。自分で漬けたら美味しいと思う。


 500g分けてもらった。材料の余りを出したく無かったので氷砂糖300gとブランデー800mlで漬けてみた。分量をメモしたので味をみて来年以降は調整する。

 ついでにコーヒー酒も仕込んだ。コーヒー酒は私好みで深煎り豆と氷砂糖とブランデーで漬けた。出来上がったらアルコールを飛ばしてからティラミスでも作ればハナも喜んでくれるだろう。



 梅酒を仕込みはじめた途端にハナに逃げられてちょっと淋しい…。お酒を嫌うハナはアルバロと一緒にダンジョンの調査に行った。アルバロは美味しいフルーツのダンジョンを作りたいらしい。



 ハナとアルバロはいつもの夕飯の時間に戻ると予測して父さんとリザと一緒に夕飯の支度をした。今日は暖かいのでさっぱりと冷たいお蕎麦にした。


「天ぷらは俺が揚げるな」

 穴子とそら豆のかき揚げ、桜海老のかき揚げ、季節の野菜の天ぷら。薬味もたっぷり刻んで用意した。ハイ・ヒューマンの体力で大根もたくさんおろした。

 お蕎麦を茹でるためにお湯を沸かしていたら玄関が騒がしくなったのでハナを迎えに行った。


「おかえり」

「ただいまー!」

 可愛い顔で抱きついてきたのでぎゅうぎゅう抱きしめてすりすりした。


「今日はどんなダンジョンに行ったの?」

「南の国のダンジョンと北の国のダンジョンだよ。北の国のダンジョンで南の地方のフルーツがドロップしたら嬉しいかなって思っているんだ」

「いいじゃん!甘いフルーツは喜ばれると思うよ。今あるダンジョンに追加するの?」

「そのつもり」

「…追加する時は私とハナも一緒に行きたい」


── アルバロはダンジョン作りのセンスが無いから。


「ふふっ、恋人っぽいよね!一緒に創造するの!」

── その設定、バタバタしてて完全に忘れてたわ。もじもじ照れるアルバロと忘れてた自分、温度差あり過ぎかも…なんかごめん。



「おーい飯だぞー」

「はーい!僕お腹空いちゃった」


 みんな揃ったのでいただきます。ハナがフォークで上手にお蕎麦を食べて可愛い。

「おいしー」

「お蕎麦も天ぷらも美味しいね」


 大根おろしたっぷりの天つゆでいただく天ぷらも薬味たっぷりのお蕎麦も美味しい。



「明日は王都だったな?」

「うん。明後日にはネルソンさんとネルソンさんの奥さんが付き添ってオスカル様とローザが王都に来るんだって」


「ローザちゃんとこたくん!」

 ローザと孤太郎君に会えるとハナが嬉しそうだ。


「朝イチで出かけよう。昼には王都に入れるから午後はゆっくりできる」

「そうだね」



 夜になっても、はしゃぐハナがなかなか眠ってくれなくて苦労した。

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