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第209話 イレーネさんと再会

 鉱物ダンジョンを出て冒険者ギルドに向かう。

モンテ・トラスの冒険者ギルドのサブ・ギルド・マスターはカミロさんの孫のイレーネさん。王都のクラリッサを紹介してくれた美女エルフだ。


「こんにちはー」

「いらっしゃいませ、いつぞやは大変お世話になりました!少々お待ちください」

受付担当の職員さんに別室に案内された。


「久しぶりだな!」

ギルドマスターのグスタポさんの部屋だった。

「失礼します」

ノックと共にイレーネさんが入って来た。

「お久しぶりです」


改めて全員で向き合って挨拶した。

「ワイバーンの討伐では本当に世話になったな!」

「おかげさまで街の警備隊と冒険者ギルドの関係も良好なんですよ」

「役に立てたならよかった」


「今日はどんな用事だったんだ?」

「ミスリルが必要で鉱物ダンジョンに来たんだ。宝石なんかは必要無いから買い取りして貰えるか?」

「ミスリルを?」

「失礼だが困りごとなら相談してくれないか?力になれることがあるかもしれん」


「いやいや困りごとってほどじゃないんだ!家の前の海で鮑や牡蠣を養殖したくてな。外敵から養殖用の籠を守る檻のような物をミスリルやオリハルコンやアダマンタイトで作りたいんだ」


「そういうことか」

 グスタポさんがほっとしている。いい人だな。



「じゃあ買い取りしましょう、こちらのトレーにどうぞ」

 イレーネさんが手続きを進めてくれて、けっこういいお値段になった。依頼のあった宝石が含まれていたらしい。


「売却ありがとうございました。おかげさまで富裕層からのリクエストに応えられます」

「こっちこそ高く買い取ってもらえて助かった」



「イレーネさん」

「はい」

「クラリッサを紹介してくれてありがとうございました」

「聞いていますよ。あの子に長命種族の友人が増えて嬉しいです」

「ハナのことも凄く可愛がってくれるんです」

「テイマーのスキルが欲しいって相談されたの。きっと原因はハナちゃんね、冒険者ギルドの職員だからスキル取得方法を知らないかって聞かれたんだけどさすがに分からなくて」


「最近、妻がテイマースキルをゲットしたぞ」

「原因は分からないんですが、ある日突然ハナちゃんと会話出来るようになりました。毎日一緒に過ごしていたからでしょうか?」

「そんな情報を与えたら毎日押し掛けて迷惑かけてしまうわ」

「クラリッサちゃんにも仕事があるし頻繁に行き来は難しいがまたご招待するといい。お父さん、張り切っておもてなししちゃうぞ」

「ありがと父さん。その前に王都に遊びに行こうよ」

「そうだな、巽君たちのお店も気になる」



リオ一家がほのぼのと帰っていった。




「リオさんとリザさん、ご結婚されたんだな」

「ラブラブですもんね」


「イレーネの姪っ子はカナさんと親しいのか?」

「紹介したら意気投合したようです。姪の王都の友人たちとも仲良くなってカナさんのお家…東の秘境にあるそうなんですが招待いただいて休暇を過ごしたそうです」

「それは凄いな」

「共通の友人の従魔の治療が目的だったそうなんですがリオさんにお料理を教わったり楽しかったと言っていました」


「…秘境の家って興味あるな」

「建築と食文化に妖狐と共通点があるそうです。一部が多少似てる程度らしいですが。お米が主食だそうですよ。姪もお米料理にはまったそうです。家の周りはリザさんやハナちゃんの気配が濃くて魔物が近寄らないので小鳥や小動物がよく現れて平和だそうです」

「ほう」


「リザさんが飛び回って魔物を倒しているし、秘境唯一のダンジョンの入り口がお庭にあって毎日ハナちゃんがお散歩代わりに通っているので秘境から魔物が溢れることは無いと言っていたそうです」


「それは…」

「もし秘境の魔物が溢れたら真っ先に魔物が向かうのはローレだろうと」

「位置関係からしたら、そうだろうな」

「ローレの冒険者ギルドに祖父がいるんです。姪っ子はひいおじいちゃん子なので青ざめたそうなんですが、カナさんは私たちが生きてるうちは大丈夫だと笑っていたそうですよ」


「リオさんご一家に頼らず対抗出来るようにならんとなあ」

「そうですね。対抗出来るとしたらストイックにレベル上げした長命種族でしょうか」

「人族の寿命では難しいだろうな。冒険者ギルド全体で情報共有して見込みのある冒険者を育てていこう」



 リオ一家の情報と秘境の情報はグスタポとイレーネによって冒険者ギルド全体に情報共有された。

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