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第206話 お仕立てあがり

 旅行帰りの父さんとリザにはゆっくりしてもらってアルバロとハナと一緒に畑や田んぼを回って家に戻ると2人が夕飯を作ってくれていた。持ち帰った苗も温室に植えてくれたらしい。



「カナさん、ハナちゃん、アルバロさん、おかえりなさい」

「おかえり、今日はインドネシアっぽいメシにしたぞ」

2人とも旅行の余韻を引きずっているのだろう、南国リゾートっぽいメニューだった。



「ナシゴレンとミーゴレン!大好きなんだ」

インドネシア風の焼飯と焼きそばだ。


「こっちはサテ、インドネシアの串焼きだ。プルクデル・ジャグンはとうもろこしのかき揚げ、ガドガドは甘辛いソースの温野菜サラダだ。アヤムゴレンは唐揚げな!サンバルソースを付けて食うと美味い。ソトアヤムはチキンのスープだ」


「どれも美味しそうだね!ハナはどれがいい?」

「全部とって!」

「はいはい」

 少しずつワンプレートに盛り付けてやるがハナに辛いソースは無しだ。


「おいしー」

「ハナちゃんも気に入ったか?」

「うん」


 インドネシア料理の後はデザートに南国のフルーツを堪能した。

「美味しかったね!」

「ああ。明日はドス・グラントに行かないか?」

「父さんとリザは疲れているでしょう?」

「大丈夫ですよ」

「俺も問題ない。早く夏の服を試着したいしな!」

身体が若返っていて元気すぎる。



 予告通り、翌日はドラゴン化したリザの背中に乗ってドス・グラントの近くまで行き、そこから馬車でドス・グラントに向かった。

 前と同じ宿を取って前と同じ小鳥の仕立て屋を訪ねると今日もハナが大歓迎された。


「お仕立て上がっていますよ」

「こちらへどうぞ」

全員別々に試着室に通された。


「どうぞ」

 広げて見せられた服はどれも可愛いらしくて嬉しい。試着してみるとどれも動きやすくて丈もばっちりだった。


「どれも思い描いた通りです!もう着て帰りたいくらい。でもさすがにちょっと肌寒いかな」

「既製品でよければカーディガンがありますよ」

「そちらのお色なら薄い茶色が合うかと思いますよ」


 どうぞと着せてくれたカーディガンはぴったりだった。

「これもください」

「お買い上げありがとうございます!」

 乗せられてしまったが大満足だ。


 全部納品で取引完了。店頭に戻るとハナがちやほやされていた。

「お待たせハナ」


「こちらをどうぞ」

 夏用のペットスリングを渡されたので肩にかけてハナを入れる。

「ハナこれ好き」

「気に入った?」

「うん」

 ペットスリングの中のハナがすりすり甘えてきて可愛い。


「皆さま試着が終わったようですよ」

奥から父さんたちが騒がしく現れて吹いた。



「ぶっはー!父さんがファンタジー!」

 ファンタジーなゲームに登場する戦士みたいな服だった。

「いいだろ?俺が全シリーズをクリアしたゲーム『エターナル・ファンタジー』の中でも特に好きな『Ⅵ』に登場するブランドンの衣装のオマージュだ!」

 ちなみにブランドンは竜騎士というジョブだ。父さんのドラゴンへの憧れは『エターナル・ファンタジーⅥ』のブランドンだった。



 本当にゲームだったしオマージュというかパクリじゃないかと思うほど似せてあった。

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