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第188話 名誉Bランク

巽と狐太郎君と一緒に王都に戻った。


「本当にお世話になりました」

「こっちから申し出たことだから気にしないで。それに楽しかったよ」


「淋しいの…」

 狐太郎君が家に帰ってしまうのでハナの元気がない。

「…ハナちゃん、おれも淋しい」

 狐太郎君の耳も倒れてしまった。

「王都にいる間はちょくちょく会いに来てくれると嬉しいな。魔道具の店にいることが多いから」

「ありがとう、寄らせてもらうね」


 ハナと狐太郎君がお鼻をくっつけて挨拶した。萌える。



「私たちは冒険者ギルドに行こうか」

ドロップ品や魔物を売却しようとして預けたままだったのだ。


「こんにちはー」

「カルピオパーティーの皆さま!」

ゼカさんが駆け寄ってくれた。


「突然、王都を離れるとだけ言ってすまなかった」

「いえいえ、こちらへどうぞ」

別室に案内された。


「急ぎの御用はお済みですか?」

「ああ、知り合いの子供の怪我がひどかったんだが回復した」

「それは良いことをされましたね。ご回復お喜び申し上げます」


ゼカさんが書類を出してきた。

「こちらが見積もりです」


 父さんが広げた書類を全員でのぞき見ると、また2億超えだった。

「凄いことになってるね」

「そうだな」

「そちらの見積もりでよろしければ支払いになります」

「いいよな」

「うん」

2億超えの現金を受け取った。


「ギルドマスターが参りますので少々お待ちいただけますか?」

「はい?」

「なんだろな?」


「お待たせしてすみません」

すぐにパルミラさんが来た。


「皆さまのギルドランクなのですが、今回の納品でランクアップになります。本来なら」

「本来なら?」

「はい。Aランクになると特権を得る代わりに義務も発生するのです」

「じゃあ脱退するか!」

「そうしようか!」

間髪入れずに脱退を決めた。


「お待ちください!本来ならって言ったじゃないですか」

「そうでした!」


「皆さまが東の秘境の平和を守っていらっしゃることなどもギルドマスター会議で話し合いました結果、名誉Bランクというクラスを創設しようとなりました」


「名誉Bランク?」

「はい。なんの義務も負わないBランクです。皆さまは東の秘境でお過ごしで、今後も離れる意思はないと推察します」

「その通りです」


「冒険者ギルドは皆さまが自由にお過ごしくださることが世界平和に何よりの貢献と考えます。もしも冒険者ギルドの依頼で皆さまを長期間拘束した場合、東の秘境から強力な魔物が溢れて近隣の街を襲うようなことも想定されます」

「ああ、割と簡単に起こると思うぞ」

「ローレがヤバいよね」

 引き止められて義務を負いたくないので、ちょっと大袈裟に言ったけど間違ってない。


「やはり…」


「気にすんな!身分証明証なら錬金ギルドや商業ギルドにも登録してるから冒険者ギルドを脱退しても俺たちは困らないからな!」

「うんうん」

 ギルド証を運転免許証のようなものと考えているリオとカナだった。


「いえいえ脱退して欲しくないのです。なので名誉Bランクというクラスを創設して今後も義務を負わずに在籍していただきたいのです」

「面倒なんだな」

「組織がルールを自ら破る訳には参りませんから新たにルールを作るのです」


「これまで通り自由に過ごせるなら異論はないよな」

「うん」


「ではギルドカードをアップデートしますね」

 パルミラさんが操作してくれて名誉Bランクになったがギルドカードの見た目はBランクのまま変化がない。アップデートする必要はあったのだろうか。


「魔力を通してみてください」

ピカーッ!

「おや?」

「…いつもより光ってる」

ハナが喜んでピカピカさせる。

「私からのサービスです。ちょっと豪華でしょう?」


 キラキラのエフェクトが出るだけで何かの役に立つものでは無いらしいがハナが喜んでいるのでお礼を言った。

 お礼を言ったけど…偽造を疑われないか心配になった。何か言われたらパルミラさんがやったと言おう。

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