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第163話 アルバロのセンス

 冒険者ギルドを出てローレのダンジョンに向かった。


 ローレのダンジョンはハナのお気に入りの美味しい牛乳がドロップするダンジョンだ。ここはチーズや牛肉もドロップする私たちのお気に入りダンジョンだ。冬の運動不足を解消しようと全員でアタック、フロアを何周もして倒しまくった。

 ダンジョンの魔物たちは角、牙、毛皮、肉、牛乳、チーズ、卵、はちみつ、メープルシロップ、きび砂糖、武器、防具、魔石、宝石などをドロップして消えていった。



 今は最終フロアのセイフティゾーンで休憩中。

「たくさんドカンしたね」

「牛乳のダンジョン、もう一周しようか」

「うん」

 お茶を淹れてひと休み、ハナのグラスにはドロップしたばかりの美味しい牛乳を注いであげた。



「おいしい牛乳でたねー?」

「卵も砂糖もでたね?」

 まったり休んでいるとハナとアルバロがチラチラとこっちを見ている。


「ハナとアルバロは何が食べたいの?」

「プリン!」

ハナとアルバロが声を揃えて答えた。

「じゃあ明日作ろうか」

「やったあ」

 ハナが抱きついてきたので遠慮なくモフってやった。


 このほかに私たちが知っているダンジョンで美味しい食べ物がドロップするのはルースラゴスのシーフードのダンジョンのみだ。


「ねえアルバロ、こことシーフードのダンジョン以外で食べ物がドロップするダンジョンてあるのかな」

「北の方にドーロって街のダンジョンや、西の方にあるジーニャって街のダンジョンはカナが気にいるかも。武器や宝石もドロップするんだけど鱈や鰯や小海老や腸詰や干物、ワインなんかもドロップして地元の人から酒飲みのダンジョンて呼ばれているんだ」

「それは楽しそうだねえ」

「ハナ、牛乳のダンジョンのほうがいい」


 お酒の匂いを嫌うハナには不評だった。

これからワインも醸造するしお米作りが進んだら日本酒も作りたいのでハナの機嫌をとるのが大変そうな予感がした。

 酒飲みのダンジョンと聞いたハナが『お酒いやー』と言いながら離れていって父さんと遊んでいる。ハナがこちらの話を聞いていないことを確かめて、こっそりアルバロに聞いてみた。


「酒飲みのダンジョンだけどさ」

「うん?」

「ナッツとかビーフジャーキーとか、お酒のあてにもなってハナが好むものがドロップするようにできる?」

「なるほど…いいよ!」

「ダンジョンの改修に私とハナも同行していい?」

「カナったら食いしん坊〜!オッケーだよ」



 私は大人なので『アルバロにはダンジョン編成のセンスが無いから同行を申し出たわけで!決して食いしん坊な訳ではなくて!!』と言いたい気持ちをぐっとこらえて食いしん坊の評価を受け入れた。

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