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第147話 醸造所の設計図とアップルパイ

誤字報告ありがとうございました!

 温泉旅館の設計で家づくりの面白さに目覚めたアルバロが醸造所を設計してくれるというので任せることにした。ハナは父さんとリザにくっついて裏山に行ってしまったし、ちょっと暇になった私はアップルパイを作ることにした。



冷凍パイシートも美味しいけど今日はパイ生地から作る。時間はあるし。


 まずは準備だ。材料全部を計量する。

薄力粉と強力粉はふるって塩とグラニュー糖と混ぜたら使う直前まで冷蔵庫で冷やしておく。

 生地に使うバターは1.5cm角のサイコロ状に切って冷凍庫で凍らせておく。生地に使う牛乳と水は合わせて冷蔵庫で冷やしておく。


 りんご煮に使うバターとグラニュー糖も計っておく。


 りんご煮から作るので裏山で採れた紅玉の皮をむいて8等分のくし切りに。鍋にバターとりんごを入れて炒めてグラニュー糖を加える。水分が出てきたらレモン汁を加えて蓋をして煮る。

 しんなりしてきたら蓋をとって汁けを飛ばす。りんごに竹ぐしがスッと通るようになったら火を止めて冷ます。ハナが嫌うかもしれないのでシナモンは入れない。



 いよいよパイ生地を作ってゆく。

合わせてから冷やしておいた粉類とバターをフードプロセッサーでガッ!ガッ!と攪拌。

バターが小豆くらいのサイズになったら、合わせてから冷やしておいた牛乳と水を加えてガッ!ガッ!っとする。パラパラの状態になったらラップで包んでひとまとめにする。

 平たい長方形に整えて冷蔵庫で4~5時間冷やす…今回は待つのが面倒なので冷却魔法でしっかり冷やした。


生地を打ち粉をした台に縦長になるように置いてめん棒でのばす。伸ばしたら生地を三つ折りにし、重なった部分の縁をめん棒でぴったり押さえて閉じる。

生地を90度回転させて伸ばしてから折りたたむ。もう一度90度に回転させて伸ばして折りたたむ。

 ここでまた冷蔵庫で冷やすんだけど冷却魔法で冷やした。


 冷やした生地を打ち粉をした台にのせ、厚さ約4mmにのばす。


 ここでインベントリに収納してコピー&ぺ、&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺ&ぺで増やした。次にパイを作る時に楽したい。


 インベントリから1つだけ取り出してパイ皿に敷き込んだら、りんご煮を並べて生地をかぶせてとじる。

 生地の表面全体に溶き卵を塗ってあとは焼くだけなんだけどインベントリに入れてコピー&ぺ、&ぺ&ぺ&ぺで増やした。アルバロが予想以上に食べるかもしれないから念のため。



 ついでにタルトとパイの中間のような生地で、焼く直前のレモンメレンゲパイとキーライムパイ、カボチャパイも作ってアルバロにバレる前にインベントリに収納した。醸造所が出来上がったらお礼に1種類だけ焼いてあげよう。その他はまたの機会だ。


 私のアップルパイは代官山で人気だったお店の味に寄せている。けっこう前に上野毛に移転したと同業者から聞いたけど東京に行くことがあってもお店に行く機会が無かったまま、こちらの世界に転移してしまったのは少し残念だ。



 ハナたちが帰ってきそうなタイミングに合わせてオーブンを温めてアップルパイを焼き始めた。




「甘い匂いがする!」

パイが焼ける匂いに誘われてアルバロがキッチンにやってきた。


「まだ焼き始めたばっかりだよ」

「もちろんハナが戻ってくるのを待つよ〜!」

デレデレでご機嫌だ。


「ね!これ見て」

アルバロが設計図を広げた。

「素人が一から作るのは大変だから旅館を作った時のように真似することにしたんだ」

「そうなんだ。いちから作るのは大変だよね、モデルは?」


「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ!」


 もしも今、お茶を飲んでいたら間違いなく吹き出していた。


「…それって世界で最も高価なワインを作る世界で最高のワイン製造業者?」

「うん!」

「………」


ピピピッ!

オーブンが鳴った。


「焼けたの?」

「…焼けた」


── オーブンからパイを取り出して落ち着こう。真似するのは醸造所の間取りだけだ。同じワインが出来る訳じゃないから慌てることはない。



 パイ皿から出して金網の上に置いて粗熱を取っている間にハナたちが帰って来た。



「ただいまー!」

「おかえり」

「甘いにおい」

ハナがフンフンする。

「アップルパイを焼いたの。ハナが帰って来るのを待っていたんだよ」

「食べるー!」

 まとわりつくハナをアルバロが抱っこしてくれたのでパイを切り分ける。


 ハナと私と父さんに1切れ。リザに少し大きな1切れ、アルバロにでっかく1切れ。アップルパイにアイスを添えて、飲み物は紅茶だ。


「おいしー!」

「また作ろうね」

「やったあ」



 ハナはフレッシュなりんごもスイーツにしても好きなので予想以上に喜んでくれた。

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