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第136話 温泉計画とログハウス

 今日から裏山に温泉旅館風の別邸と採取のためのログハウスを建設する。寒くなって出来るだけ早く温泉三昧したいので父さんも私もやる気だ。



「いくよー!」

 アルバロが大胆に地形や地面を整えた。今日もかなり広範囲に揺れたし地響きも凄かった。昨日、源泉で魔物たちが怯えたのも無理もない。魔物たちにドン引きされた理由は私じゃなくてアルバロで間違いない。



 次に描き起こした設計図をもとに紐を張って地面に設計図を再現する。ちゃんとした建設知識もないので細かいところは魔法でいい感じにする。ざっくり作ったらアルバロがなんとかしてくれるらしい。さすが神だ。


 紐を張り終わったら紐に合わせて基礎部分を作ってゆく。これもアルバロが土魔法でいい感じにしてくれた。


「普通に作業したら何日もかかるところを1日で出来ちゃうんだもん、凄いね」

「さすが神だよな!」

「いつも美味しいご飯を作ってもらってるからね、こういう時は僕を頼ってよ!」

 アルバロがご機嫌なので遠慮なく頼ったら立派な基礎が出来た。


「午後は粘土と石炭と木材を取りに行こう」

「じゃあ昼飯はささっとラーメンにするか」

 我が家に戻って有名店の麺とスープを取り寄せて麺を茹でていたらリザとハナが帰ってきた。


「ただいまー」

 ハナが勢いよくキッチンに飛び込んで来たので浄化した。

「お腹すいたー」

「お昼はラーメンだ。ハナちゃんの好きな味玉とナルトもあるぞ」

「やったあ」

「リザには追加でチャーシューな」

「嬉しいです」


 今日は有名店の味噌ラーメン。野菜も盛りっと乗せて具沢山にした。

「おいしー」

「あったまるね」

 外で仕事をしていたから熱いラーメンが美味しい。


「今日の午後はリザに移動を頼むよ」

「任せてください」

 リザもやる気だけど、やる気なら私も負けていない。ハイ・ヒューマンになって力自慢になったから巨大な木材も軽々と持ち上げられるから力仕事が楽しいのだ。



 午後はドラゴン化したリザの背に乗ってアルバロがナビする場所まで来たら魔物が逃げて行くのが上空から見えた。


「ここで粘土を採取するよ」

「粘土?」

「瓦の材料だよ」

 アルバロに指示されるまま採取した。移動して石炭も採取した。この石炭で瓦を焼くらしい。


 次に秘境の中の密林っぽいエリアに来た。ここでも魔物が逃げて行くのが見えた。やはりドラゴンは多くの魔物にとって脅威なのだと感じた。


「間引いていく感じで伐採していこう」

 アルバロの指示に従って木を根っこごとインベントリに収納していく。ハナはリザと一緒に探検に行った。最近は通訳無しで仲良くお出かけしている。


 2〜3時間でかなりの量の木材がインベントリに収まり、密林に少し日光が当たるようになった。


「まだ間引いた方がいい場所もあるけど今日はこんなものかな」

「せっかくだから、ついでにやっていくか?」

「インベントリの容量は余裕だもんね」

そんな相談をしていたらハナが戻って来た。


「カナちゃーん!」

勢いよく走って来たハナを受け止める。


「あのね、カナちゃんを呼んでるの」

「私を?誰が?」


「あの泉と木です」

 遅れて戻ったリザの説明によると移動する聖人の泉と祝福の木に呼ばれているらしい。水面に浮かべる睡蓮と肥料だなと思って全員で向かってみたら事態は深刻だった。



 鑑定してみたら胴枯病だった。

樹幹や枝に発生し、患部から上の部分が枯死する病気だ。


「病原菌は昆虫や小鳥に付着して運ばれたり風で運ばれたりするようです。治療しても良いですか?」

祝福の木が肯くように上下に揺れた。


「伝染源の部分を切除して傷口に召喚魔法(インターネット通販)で取り寄せた薬を塗りますよ」

 祝福の木が肯くように上下に揺れたので鑑定しながら病気の部分を切除してゆく。切除した部分はリザが灰も残らないほど焼いた。


「少し様子を見たいので我が家に滞在しませんか?」

祝福の木が肯くように上下に揺れた。

「良かった。病気の部分が残っていたり広がっていないか毎日鑑定して、傷口に薬を塗りましょうね。我が家の場所はアルバロ、伝えられる?」

「大丈夫。…じゃあ先に行ってて」

 祝福の木が肯くように上下に揺れたと思ったら木と泉が消えた。


 ドラゴン化したリザの背に乗って我が家に戻ると聖人の泉と祝福の木が家庭菜園の隣にいた。


「早く良くなるように肥料を出しますね」

 いつもの高級肥料を祝福の木がいらないと言うまで撒いた。



 しょんぼりと元気がない聖人の泉に睡蓮を出そうとしたが遠慮されてしまった。パートナーの祝福の木が回復したらまた勧めてみよう。

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