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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

色々奪っていく妹

作者: 23すてぃん





「……妹が勝手に部屋に入ってきてわたくしの私物を持っていくのですわ」



疲れたような顔をしている我が婚約者に理由を聞くと、彼女はうんざりした表情でそうこぼした



私はナルーン王国王太子アルバート・フォン・ナルーン、今2人でお茶会をしているのは婚約者にして我が国の筆頭公爵家令嬢で長子であるシャーロット・ヴァン・ビフォアムーン



そんな彼女には1つ下の妹が居る




イザベラ・ヴァン・ビフォアムーン…で、名前は合ってる筈である




シャル(愛称)は母君に似ており大変美しいものの少し冷たい印象を受けるつり目美人だ。しかしそこが高潔なる戦女神のようで見惚れてしまうのだ




また、中身は一転して心優しい気遣いのできる少女だ




妹のイザベラ嬢は………どんな容姿だったかな?よく覚えてないな

何回かは会っている筈だが、私は視界にシャルが入っている時は他の存在をろくすっぽ認識しないのでいまいち記憶がない



「………………ええと、イザベラ嬢だったけ?そんなことをするのかい彼女は」



「殿下…わたくしをいつも一番に見てくださるのはとてもとても嬉しいのですが、未来の義妹ぐらい覚えておいて下さいませ」



「ごめんごめん」




…ん?

というか、これは巷で平民に流行っているロマンス小説の派生?の制裁がメインの作風に出てくる姉のものをなんでも奪うクソ妹というやつではないか??

何故私がそんなものを知っているかといえば母上の侍女が押し付けてきたからだ…いや押し付けるなよと言いたい




しかし、もしその手の小説のごとき事態が公爵家の中にあるのであればシャルの婚約者として看過できんな!!



…とはいえ夫人も公爵閣下もシャルにいつもデレデレしている印象しかないのだが?



両親はちゃんとしているのに妹だけ性根が曲がりきっており修正に失敗したということなのだろうか??




なんにせよ、彼女の言う通り未来の義妹だからな(忘れてたことは棚上げ)問題のある女と親戚になるならそれなりの対策が必要だろう



両親…まあ両陛下だな。それとなく話してみたらイザベラ嬢は舞踏会や夜会にあまり出てこないし実態はよく分からん、公爵からもこれといって説明が無いため実態は不明と言われた



翌日またシャルとお茶会したのでもう少し具体的に聞きたいとお願いしてみた。君が傷付いているのなら王家の権威を振りかざしてやめさせることも出来るからと。政略とか関係なく私は君が大切だから、と。



シャルは真っ赤になってもじもじ嬉しそうにしていたが、妹への制裁は一切望まなかった



「妹に悪気はないのですわ…というか…見たほうがはやいですの」






2週間後…シャルの手引きでこっそり公爵家のタウンハウスを訪れると…




「うえへへへへへお姉様の靴下〜♪ああなんてうっとりする妖精が飛び交う神秘の泉から湧き出た聖水のようか芳しいこの香りああお姉様はやはり女神様なのですわ!!」




おいいいいいいい!!



私物をなんでも持っていくってそういう系かよおおおおお!!!

思ってたのと違う!!!!






なるほど、甘々マスクな父君に似たのかその手のクソ妹にありがちな庇護欲をそそる容姿の少女が居た。ああ、思い出したわあれイザベラ嬢だよな…うん。




姉から取ったらしき布系のものを並べてヤバい表情をしている今の彼女を見たらおそらく歴戦の遊び人(チャラ男)も裸足で逃げ出すと思うが





「…やあ、イザベラ嬢。

随分と素晴らしい趣味をお持ちだな」




「まあ!王太子殿下ではございませんか。本日は突然のご訪問ですが如何されましたか?」



「今更取り繕ってももう遅い!!とりあえずシャルの靴下と諸々を返せ!!」



「イザベラ!また貴女は私の脱いだものを!…私の専属のアンリも買収しましたわね!!」




「いやむしろアンリもお姉様が折れたから捨てたペンこの間舐めまわして…あ、やべ」




「アンリ!!!?!?…居ませんわ!!逃げましたわ!!」




「ところでお義兄様、こちらで見逃して下さいませんか?お姉様の脱ぎたての…「イ〜ザ〜べ〜ラ〜???」




…ぐっ

クソ!!

俺はどうやらイザベラ嬢の同類だったらしい。ちょっと欲しいとか思ってしまったではないか!!





「そ、その

婚姻が済みましたら、わ、わたくしそのものを差し上げるのですから…」




やっべ

心臓鷲掴みにされて死にかけた!!

もじもじしながらそんなこと言われたら抱きしめるよな。そりゃな



「あー!!殿下ずるいです!!私にも権力とピーーがあれば!!!」

「イザベラ!!淑女がそんなはしたない単語を口にするものではありませんわ!!」


「口でする?ああっいやんお姉様そんなダメですわぁ「違いますわよ!!」





…なんだ、仲良し姉妹じゃないか(遠い目)









その後ナルーン王国は王が王妃を溺愛し、また王妃も献身的に王を支え栄えたそうだ

また第69代国王アルバートは義妹である筆頭公爵家夫人イザベラと、親戚筋からの入婿でイザベラの夫であり、王妃を神聖視していたカルロスと紳士淑女同盟なるものを結んでいたとされるが、こちらの詳細は不明である





姉のものを色々奪う妹というテーマで書こうとしたらこれしか思いつきませんでした

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― 新着の感想 ―
[一言] これは酷い(褒め言葉) 貞操までは奪われなくて良かったね!
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