1/3
#1「塾帰り」
今回のワンシーンは中学3年生の優希と彩美の話し。
中学3年生と言えば高校受験。
皆さんも毎日のように塾に通った覚えがあるのではないでしょうか?
携帯も禁止になり、彼氏彼女との連絡が取れずクラスは別々。
そんな2人の塾帰りを書きました。
とても短いですが暖かい気持ちになっていただけたらなと思います。
彩美と優希は塾が終わると自転車には乗らず押しながら2人で夜道を歩く。
「最近、勉強どう」
優希は聞く
「まぁまぁかな。優希は?」
「俺はずっと彩美のこと考えちゃうかな…
もうすぐ受験だって言うのに何考えてんだろ俺」
「私も優希の事よく考えちゃうよ。」
「ほんと?」
「照れるから聞き直さないで」
彩美は少し微笑みながら答える。
「俺ら、学校離れても続くかな」
優希は暗い顔をして言い出す。
「大丈夫だよ。優希が浮気しなければ」
「そんなことするわけねーだろ」
「安心安心」
彩美の家の前につくと優希は寂しそうな顔をする。
彩美は親が遅くなると怒るので早く帰らなければならない。
「んじゃ。また次の塾で」
「うん。ばいばい」
といって優希は自転車に跨り、ペダルに足をかけるのであった。