飲物。
さらに勉強すること一時間。
全員が、一段落ついてきた。というより、集中力が切れてきている。
「休憩いれるか?」
僕はみんなに聞こえるように尋ねる。
すると、カズキから返事があった。
「じゃあ、コーヒーでもいれてくれ~」
「は、あんな苦々しい液体、うちにはない。っってか、僕が言わなくても知ってるだろう? このやり取りも、もう三桁に突入しそうな勢いでしてるだろうに、学習しないな」
このやり取りは、おそらく、カズキがうちに来ると三回に一度はしているはずだ。
「そうだった、忘れてた。苦いの嫌なら、砂糖でも練乳でもミルクでもいれりゃいいのに」
「そんなことしてまでコーヒー飲むくらいなら、最初から別のものを飲む方がいいだろう?」
わざわざコーヒーを選ぶ理由がない。
「ココアならあるが?」
「てか、それ以外出されたことねえよ。いや、今日こそはこの家でコーヒーを飲んでやる! 待ってろ。コンビニ行ってくる」
「あ、じゃあついでにみんなでつまめるようなもん買ってきてくれよ」
外へ出ようと立ち上がったカズキに、僕は言った。
「ポテチでいいか?」
「いや、争いが起こるだけだ。チョコとか、別なもんで頼む。あ、もちろん、山か里かで意見が割れるようなのは却下だからな?」
「りょーかい。他はいいか?」
ぐるりとみんなを見渡し、特に意見がないのを確認すると、カズキは財布片手に出ていった。
「で、みんなは、コーラにする? ココアにする? それとも、お・み・ず?」
にこりと笑いながら、僕はみんなに尋ねる。
「きもい」
バッサリと、アカリに切り伏せられてしまった。
きもいとか、傷つくなぁ......。や、普通にキモいわ。気でも違ったかというほどに、訳のわからない感じだった。
さて、と。
「じゃあ、ココアは何人?」
春山とチヒロ、それに春山の友達である、深山が手を挙げる。
たくさん作るなら、僕もココアにしようかな。
僕がそう思ったとき、双葉も手を挙げた。
「お兄ちゃんもココアにするなら、私もそうします!」
え、あれ? 僕、思っただけなんですけど?
何で思考が読み取られてるの......?
怖い、怖いよ!
「ふっふっふ、お兄ちゃんの思考など、簡単に読めますよ。愛があればね!」
親愛だよね? 恋愛じゃないよね?
「すごいね、双葉ちゃん......」
ほらみろ。春山含めて結構な人数が引いてる。
この場で結構な人数が引いてるっていうのは、もはやほぼ全員と等しいから、この場のほぼ全員が引いてるといっても過言ではない。
あれ、そういえば。
「アカリは?」
「水に決まってるでしょ?」
なにいってんのって顔をされた。
いやあれ、ギャグのつもりだったんですけど......。
本編となっております同シリーズの別作品たちもよろしければお読みくださいませ。




