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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

王女を寝取られた勇者が復讐し、幸せを掴むまで!

作者: 鶴沢仁

 俺は勇者! 魔王をぶっ殺すために人類から扱き使われる奴隷って奴よ!

 だが、俺には結婚の約束をした愛する王女がいる。そのために今日も魔王討伐に向けて頑張るぜ!


「おい、お前が勇者か?」


 気合を入れていると、いきなりオカマっぽい機械音声で誰かが話しかけて来た。

 そいつは、ガスマスクをつけた怪しい人物だった。


「誰だてめぇ! いかにも俺が勇者だ!」

「私は王国から来た郵便屋さんだ!」

「郵便屋さんだと!?」


 こんな怪しい人物が、郵便屋さん!?


「王女から手紙を預かって来たので、渡しに来たんだよ」

「あ、なあんだ! ありがとう♪」


 見た目に反して良い人だったので、お礼を言っておく。

 郵便屋さんに悪い人はいないからな! それはさておき、どれどれ……俺のマイハニーからの手紙はドンな内容なのかな~? 寂しいとかそんな理由だったら、魔王討伐やめて帰っちゃうぞ~♪


『いきなり手紙ごめんね~! 実はわたくし、勇者がいない間に好きな人出来たっていうかぁ~。超素敵な人と良い感じになっちゃって、あのね……初めてを捧げちゃった!! ホントごめんね~、それでパパに正直に言ったらその人と結婚しても良いって言われたから、勇者とは終わりにしたいなって! そういうことで、さよならバイバイ! あ、もう連絡してこないでね♪』


 よし、殺す!!!! 王城の奴らを皆殺しにしてやるぜええええええ!!!


「あああああああ! あの女ころしてえええええ! ついでに色んな人間殺してえええ!!」

「どうやら手紙を読んだようだな」


 俺が決意を新たに、叫んでいると、郵便屋さんが確認を取って来た。


「ああ、読んだぜ! 俺は今! 無性に人を殺したい気分だ!!」

「クックック……読んだか。それじゃ、お前には死んでもらおうか」

「なにっ!? 郵便屋さんが何故俺を殺そうとする!?」

「実は私は郵便屋さんなどではない。王国から雇われたナンバーワンアサシンだ!」

「ナンバーワンアサシンだと!?」


 ガスマスクを着けていた時から、怪しいとは思っていたが……俺を騙すとは。

 郵便屋さんだと信じてたのに……許せねぇ!!


「だましたな! 死ね!!」


 俺はこっそり習得していた次元斬を放った。


「そんなもんに当たるかああああああああ」


 俺の不意打ちは躱され、俺の放った次元斬は遠くの山を両断し、山の向こうの街を壊滅させた。


「あ、てめぇが避けるから被害甚大じゃねぇか! 避けるなあああああああ!!」

「人の所為にするなあああああああ! 貴様のような外道は、私が殺してやる!」

「ほざけ! 死ぬのはてめえだ!!」

「お前が死ね!!」


 高度なやり取りをした俺達は殺し合いを始める。

 戦いは数日にわたって続き、いつしか俺達の間には友情が芽生えていた。


「やるな! ナンバーワンアサシンの私をここまで熱くさせた者はいなかった」

「てめぇこそやるじゃねぇか! 俺が殺せなかった人間はてめぇが初めてだぜ!」


 仲良くなったところで、俺は密かに疑問に思っていたことを聞いてみる。


「ところで、勇者の俺を殺せと命令したのは誰だ?」

「口が堅い私だが、殺せと言って来たのは国王だ!」

「国王だと!? 王女からじゃないのか?」

「王女が頼んできたから殺せと言われた!!!」

「なるほど!!!!!」


 納得した!!


「てか俺を殺したら魔王はどうする気なんだ? 勇者の俺が魔王をぶっ殺さなきゃ世界は破滅しちまうぜ」

「それなら心配ない、王国の技術省が最新テクノロジーで開発したM16A1で魔王をハチの巣にしてやるそうだ」

「なんだとおおおおおおお」


 流石の魔王でも、自動小銃相手じゃ敵わん。俺はもう用無しというわけだったのか。殺そうとしてきたのも納得の理由だぜ!


「なら魔王討伐はやめだああああああ! 王女をぶち殺しに行くからお前も一緒に来ないか?」

「しかし、私はナンバーワンアサシンだ。達成率100%の伝説を壊すのは気が引ける……」

「それなら問題ないぜえええええええええええええええええええ」


 ナンバーワンアサシンがそこを気にするのは既に分かっていた。

 俺はもう解決策を知っているのだ。


「依頼をして来たのが国王なら、国王含めて皆殺しにしちまえば達成率100%は崩れねえええ!」

「死人に口なしというわけか!!! 天才現る! よし、私も一緒に連中をぶち殺してやろう!」

「うひょおおお! 仲間が増えて俺は嬉しいぜえええええ! 今日は殺し無礼講だ! 殺して、殺して、殺しまくっちゃれ!!」

「殺すぞ~~~~!! 実はアサシンとしてコソコソ殺すより、真昼間から堂々と人を殺してみたかったんだ♪」

「その気持ち、わかるよっ♪ それじゃ城に行くぞ! 〇ーラ!!!!!!!」


 ルー〇の移動魔法で、俺達は城までひとっ飛びした!!!




 ***




「今日も平和すぎて暇だな~」

「じゃああ死ねええええええ」

「なに!? ぎゃあああああああ!」


 日和っていた門番の首を刎ねた俺は、無事城に飛べたことを確信した!

 まずは1人! あと100人は殺すぞ! 王女はバラバラにして踊り食いだあああああ!!


「私も早く人を殺したい!! 先に城に入ってるぞ! あひゃひゃ!」


 ナンバーワンアサシンはもう我慢できないのか、カットラスを抜いてそのまま城へと突っ込んでいった。


「てめぇ! 抜け駆けすんなよ、俺にも殺させろ!」


 俺も1人でも多く殺したかったから、すぐに城に飛び込んだ。

 すると、入ってすぐメイドさんと出会ってしまった。

 とても美味しそうな子だった。


「あ! メイドさん発見! あああああメイドさんの人肉くいてええええ!! 喰わせてええええええ!!」

「ひっ! きゃああああああ!」


 俺はメイドさんに襲い掛かる!!! 滅多刺しにして殺した。

 更に喉を一突きして、血抜きだああああああ!!


 そしてメイドさんを解体して、かつては柔肌であった肉を味わい咀嚼した。


 ――バリバリ グシャグシャ バキバキ ゴクン


 メイドさんはとても美味かった。美味しすぎて涎が止まラねぇ。

 もっと喰いたい、王女も、絶対喰ってヤル。


「あひゃあああああ! 血だ! 血があったけぇええええ! ぐえっへへへへ!!」


 奥へ進むと、ナンバーワンアサシンが殺しまくった人の血をシャワーのように浴びてとても楽しんでいた。微笑ましい奴だぜ!!!


 先に進むと、良い匂いがしてくる部屋があった。


「よおおし! ここだな!」


 旨そうな女の匂いがここからするから、間違いねぇ!

 俺の嗅覚は誤魔化せねぇぞ!! 裏切り者の王女はここに居やがる!


 俺は扉を叩く!! 叩きまくる!!

 人の部屋に入る前にはノックをする、当然だよね♪ 礼儀は弁えてるよ♪


「だぁれえぇかあああああ!! いませんかぁあああああ?」


 何度も何度も何度も叩くが、反応がない。

 反応がないなら仕方ない、俺は扉をぶち壊して中へと入って行った。


「きゃっ!」

「き、君! いきなり部屋に入って来るなんて失礼じゃないか!」


 王女とイケメン男がそこにいた。お互いあられもない姿で! ああああああ!

 ああああああ、ああああああああああ! ぬがあほおほおおおおお!


「お前が、超素敵な人かああああああああ!」

「うおっ!? いきなり大きな声を上げて、なんなんだ君は」

「ゆ、勇者? なんで貴方がここにいるのよっ! 今から彼と愛し合うところだったんだから帰ってよ!」


 実を言うと、未だに王女が少しは俺を愛してくれてると思っていた……。

 それなのに……それなのにぃ!! それなのにぃぃぃぃぃぃ!!

 あ、そうだ……まだ彼女から愛される方法が、あるぞ。


 俺は勇者マントから電気ミニチェーンソーを取り出した!

 う~ん、片手でも持てるこの大きさ……聖剣より馴染むううううううう!


「イケメエエエエン!! お前の顔をよこせえええええええ!」

「うわああ! やめろ! く、くるな! ぎゃああああああ!」


 俺はイケメンに襲い掛かり、生きたまま顔の皮膚を剥いだ。

 よっしゃああ。イケ面皮ゲットだ! 早速、顔に装着! すげぇくせぇけど我慢だ。


「王女おおおお! これで俺の事、もう一度愛してくれるかあああ」

「ひいいいいい、こないで化け物おおおおお!!」

「!?」


 ば、化け物……? そんな……イケメンになったのに拒否された。

 こいつの顔を被れば……よりを戻せるって、少しは期待してたのに。


「お、おうじょおおお。何でだよ。何で俺じゃダメだったんだよ……」

「こんな事するなんて、信じられない! 貴方は勇者なんでしょ? わたくし達を救うはずの立場でありながら……こんなこと……恥を知りなさいよっ!」

「だまれえええええ! 都合の良い時だけ、俺を勇者なんて呼ぶんじゃねえええ!」


 ――勇者、俺は生まれた時からそう呼ばれていた。俺の名前を付けてくれた両親でさえ、すぐに俺が勇者だと分かると名前ではなく、勇者としか呼ばなくなった。


 今までの人生、全てソウダ。皆は俺を『俺』という個人ではなく、『勇者』という存在としてしか見てくれねぇ。

『俺』の存在は、『勇者』によって消されてしまったんだ。『勇者』である俺は見てくれても、『俺』そのものを見てくれる人なんて誰も居なかったんだ。


 だが、王女ぉ……お前だけは――あの日、初めて会った時、俺に屈託のない笑顔を見せてくれたお前なら……もしかしたら、『俺』の事を好きになってくれたのかもって思ったのによぉ。


 結局はお前も、『勇者』としてしか俺の事を見てくれなかったって事だよなぁ?

 そうじゃなきゃ、『俺』の事をこんな簡単に捨てられるはずがねぇ!


「半端に希望を持たせやがってえ! てめえだけは絶対許さねぇ!!」

「わ、わたくしが何をしたって言うのよ!? ちゃんと手紙で婚約破棄もしたし、筋は通したわ!」

「あんなもんで納得できるかあああ、一方的に破棄した挙句に、俺が今張りつけてるこのイケ面皮の男と結ばれようとしてたんだろおおおおお」

「ひいいい、貴方……何時まで彼の顔を張り付けてるのよ! く、狂ってる!」

「うるせえええええええ! 俺は元々狂ってんだよおおお!」


 ああ、連続で大声出したら腹が減って来た。

 腹が減って来たぞぉ……肉、肉が欲しい……にくにくにくにくにく!


 あっ、目の前にあるじゃねぇか! 美味しそうな王女肉ガ!!


「ウガアアアアアアア! もう我慢できねエエエ王女喰うううう!」

「ひぃぃ! やだやだやだ! こ、こないでよ……やめて……やめてっ!」


 怖がってる王女が可哀想だから早く喰って楽にしてやる!

 どこの部位もうまそうだぜ、げひょひょひょひょひょ!!


「俺の腹の中で、仲直りしようぜええええええ」

「ごめんなさいぃ! 勇者様愛してますぅ! わたくし、もう一度貴方と恋人になりたいです! 貴方だけの王女になりますからぁ……だから……ひっぐ……ころさないでくださいぃ……」


 なに? もう一度、俺の所に戻って来てくれるのかぁ。

 うれしいなぁ。素敵だなぁ。夢のようだなぁ。


「……王女ぉ」

「な、なんですか勇者様! 何でも言ってください! あっ、ひょっとして……わたくしが欲しくなったんですか? ……いいんですよ……わたくしの身体を好きにしても、ほら抱いて――」




 だけどよぉ。




 俺は今、無性に腹減ってんだよぉ!! ハングリー行進曲。


「イタダキマス!」

「いっ、いやあああああああああああ!」




 ***




「うまっうま!」


 殺したての王女肉は最高だぜ! ああ、プリオンが脳に来てるうううう! キくうううう! 性格は最悪だったが、味は最高級なんだなぁ。ちょっと見直したよ、サンキュー王女。


「こんな所にいたのか。もう城の人間は殺し尽くしてしまったぞ?」

「はふっ! ほはへも(お前も)はのしんだみはいはな(楽しんだみたいだな)!」

「食べるか、しゃべるかどっちかにしろ!!!」

「――んぐ! 悪い悪い、食事中に喋るのは行儀悪かったな」

「……今食べてるのが、王女か? 終わったようだな、お前の復讐も」


 しんみりと語る、ナンバーワンアサシンの声色には何となく優しさのようなものを感じた。だからなのか、俺は余りこういう事は言わないのだが。


「なあ、アサシン」

「ナンバーワンアサシンだ」

「なあ、ナンバーワンアサシン」

「なんだ?」

「そのガスマスク……外してみねぇか? お前の顔が、何か見たくなったわ」


 この男の顔を見たくなったのだ。思えばこいつは、リスクを冒してまで俺と共に殺人パーティを組んでくれた。言わば戦友のようなモノ。


 いや、違うな。こいつという人間が好きになったのかも知れねぇ。

 一緒に人を殺しまくってる内に……俺は、こいつに親近感を覚えたんだ。


「いや、それは……」

「なんだよ、別にどんな顔でも笑わねぇって! 俺達、一緒に殺人した仲だろ? 殺人仲間を信じろよ」

「……分かった。本当に笑うなよ? 一度同業者に見せた時は散々馬鹿にされたんだからな」

「笑うかよ。俺は自分がされて嫌な事は絶対にしない主義だ!」


 俺がそう言うと、ガスマスクを脱ぐナンバーワンアサシン。

 どんな顔でも驚かない自信が俺にはあった。人の顔を見て驚くなど失礼極まりないからだ!


 しかし無理だった! ガスマスクを外した瞬間、銀色の美しい髪を揺らし、こちらを見つめる深紅の瞳を持った超絶美少女が現れたからだ!!


 その余りの美しさに、手羽先のように食べていた王女の右脚を思わず床に落としてしまう。

 好物の人肉を食べていて、他の事に意識を奪われたのは初めての事であった。


「あの、その……やっぱり、変……ですよね、私」

「いや変じゃねぇぞ? めっちゃ可愛いし!」

「か、可愛いだなんて……そんな」


 俺が可愛いと言うと、慌てたようにして顔を真っ赤にしてしまう。

 ガスマスクを脱いだ彼女は、鈴を転がすような声をしており、脱ぐ前に発していたオカマのような機械音声とは掛け離れた可憐ボイスだった。


 そんなナンバーワンアサシン()()()に、俺はもうメロメロで首ったけだったが、ある疑問がプリオンタンパク質によって、ちょっとスカスカになってしまった頭の中に湧いていた。


「なんか、性格変わってね?」

「あぅぅ……実は私、人見知りで……あのマスクがないと、その……は、恥ずかしくて、ちゃんと話せなくなっちゃうんです……」

「ぐはっ!!」


 少し怯えた様子で、俺の事を上目遣いで見て来る彼女。

 そんな目で見られてしまったら……あーもう、辛抱たまらん! 心が決まった俺は一世一代の賭けに出た!


「ナンバーワンアサシン()()()!」

「は、はひ! なっなっなんですか、勇者()()!」

「俺と、結婚を前提に――付き合ってくださいッ!!」

「ふぇっ!? えっ……わ、私と……け、け、結婚……!?」

「だ……ダメか?」


 やはり一緒に殺人し合った仲とはいえ、性急すぎたか?

 早すぎた告白に、悔やんでも悔やみきれない思いになっていると。


「でも……私なんかと、付き合っても……後悔、しますよ? きっと」

「そんなことねぇよ! 俺は心底、お前にホの字だぜぇ!!」

「……うぅ、こんなに、情熱的に私を求めてくれた人……初めて……だよ」


 そう言って涙を浮かべたナンバーワンアサシンちゃんが、その潤んだ瞳を俺に向けて来る。

 俺の恋が実るかどうかは、おそらく次の彼女の一言で決まると本能的に察した。


「そ、それで……やっぱりダメか?」

「……ううん、こんな私で良ければ……お願いします!」

「おぉぉ!? うおおおおおおおおおおおお! やったあああああ!」


 こうして、俺はナンバーワンアサシンちゃんと結婚を前提にお付き合いすることとなった!

 こんな健気で儚げな美少女が、俺の彼女だなんて……嬉しすぎる!!!





 ◇◇◇





 そして月日は経ち、俺達は結婚し2人の子宝にも恵まれる。

 彼女との幸せな時間は、俺の荒んだ心を癒し、あれほど激しかった殺人衝動もすっかりナリを潜めていた。


 幸せとは人を変えるものだ。

 ここまで幸せになれたのは、元を辿れば王女が俺を裏切ったからだというのは皮肉な事だが。


 あのまま、王女が俺を裏切らず、『勇者』のままに魔王を倒していたら、きっと俺はこんなに満たされた生活は送れなかったことだろう。


 その敬意を表して、喰った後の王女の右脚は玄関に飾ってある。

 幸せの象徴としてさ、残しておきたかったんだ。

 俺がそう言った時、妻も納得してくれたが、一言だけ。


「でも、昔の恋人の右脚に欲情したら許しませんからね! そういう目で見るのは私だけにしてくださいね? あなた♡」


 そんな可愛い事を言ってくるもんだから、その日は妻を寝かせてやれなかったよ。今では良い思い出だ。


「あなた? 何だか真剣な顔をしてましたけど、何を考えてたんですか?」

「君と子供たちに囲まれて、俺は幸せだなぁって事を改めて実感しただけさ」

「……そうですね。私たちが初めて会った時、まさかこんな関係になるなんて思いませんでしたよ」

「はは、違いないな。だけど、今思えばこれは必然だったんだよ」

「必然、ですか?」

「真剣に殺し合った俺達が、真剣に愛し合うのは、必然じゃないか?」

「ふふっ、確かにそうかも知れませんね♪」


 そう、殺し合うのも愛し合うのも、大差ないのだ。

 相手の事をちゃんと見てないと、どちらも成り立たないのだから。


 そして、真剣に殺そうとした相手こそ……真剣に愛することが出来るのだ!

 だからこそ、俺はこんなにも妻を愛している。


「世界で一番、愛してる!」

「へっ? も、もう! いきなり何ですか!」

「言葉に出さないと、伝わらない事ってあるだろ? だからさ、愛してる!」

「……私も愛してますよ、あなた♡」


 妻とお互いに愛を囁き合い、くちづけを交わす。


『勇者』から一人の『人間』になった俺は、この甘く切ない時間を甘受する。

 ……3人目が出来るのも、そう遠くない未来だろう。






 ああ、俺は今――最高に幸せだ!






 ~HAPPY END~

感想頂けると泣いて喜びます( ;∀;)

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― 新着の感想 ―
勇者というなまえのないかいぶつってことか… バリバリ グシャグシャ バキバキ ゴクン
[一言] 魔王と世界はどうなってんwww
[良い点] 内容はともかく 勢いとハッピーエンドは最高 内容はともかく
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