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ケシと共に

作者: しのは

ケシの花を手に横たわる少女

何をするわけでもなくただ、そこを動かずに彼女を見つめる僕



後悔しても遅い。

それは一瞬のことで、脳裏に浮かんだのは一日前の彼女の笑顔


まだあどけない顔立ちの少女は気の利く人物だった。

何をするにも僕の後ろをついて回り、何かをするたびにさり気なくフォローに回る

そんな彼女は僕の代わりに意識を手放したのだ。



彼女が意識を失ったのはほんの24時間前で、その24時間の間に彼女との思い出を事細かく思い出していたのはもう目覚めることは難しいと知っているからである。


彼女にケシの花を持たせたのは僕だ。


もう二度と会えないとわかっていても望んでしまうのはいけないことなのだろうか。


閉じた瞳が開くことはない。


薄い唇が声を漏らすことはない。


身じろぎをすることも


意思を伝える術は彼女にはない。



そして彼女を奪ったのは僕だ。

一番傍にいながら、一番心を通わせていたのに




そして明日もここに来るのだろう。

白い空間

広い部屋

彼女が横たわっているこの部屋に


ケシの花を携えて

明日も明後日も一年後もきっと……

花言葉シリーズです。

ケシの花言葉=眠り

少年は願います。少女がいつか目覚めることを。

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