空中決戦!
上空に舞い上がったルロロには策があった。
分厚い雲だ。
は虫類は体温調節が苦手で、凍えると死んでしまう……それはあくまでルロロの世界の『常識』だった。奴らは違う。
原因は紫外線か、直射日光の熱か、詳しくは知らないが、このリザードマン達は太陽が大の苦手だったのだ。理由がなければ雲で空を覆ったりしない、それが彼女の結論だった
「あくまで仮説の域は出ませんが……」
リビィが言った。
「とりあえず、あちらの都合は悪いみたいですね。
ルロロさん、敵の迎撃隊です」
ルロロとリビィの正面に、コウモリのようなグライダー状の翼を生やしたリザードマンが迎え撃つ。その姿はリザードマンというよりワイバーンマンと呼んだ方がより正確かもしれない。
一匹、二匹……数十匹に及ぶ数が雲を突き抜けてルロロへ突撃してきた。
「羽根つきとか聞いてませんけど」
ルロロが愚痴る様に言う。
「この世界にも空軍ぐらい居たでしょうし、それを倒しているんだから想定はすべきでしたね」
「想定くらいしてますよ。そーれッ!!」
『action!!』
ドン、ドンとルロロのショルダーカノンが砲撃を開始する。
マグマ弾は音速で疾走、見事に敵を数匹貫いた。
ワイバーンマンは数を増して次々とルロロに挑むが、人間の姿を取り戻した彼女の敵ではない。
「あーもー、面倒ですっ!」
ルロロは上空へ向かうのを一時取り止め、自由落下を始める。
「そうやってすぐにめんどくさがるから、買ったゲームもクリアできないんです」
「その話関係ないですよ。
リビィさん、ベストタイミングを教えてください」
突然敵が失速したため、ワイバーンマン達は戸惑いを見せるが、すぐにルロロへと追撃を始める。
――それが逆三角形上の編隊となり、纏まった先端は彼女の恰好の的になる。
「今ですね」
リビィの合図に、
「おりゃおりゃおりゃおりゃああああああ!!!!」
ドムドムドムドムッ!!
ルロロの乱射が始まる。
追撃途中のワイバーンマンでは避ける術がない。
数百十発を撃ち放ったところで、ルロロはフェンリルランサーを構えた。
「そんでもって突撃ッ!!」
再び上空へと昇る彼女を、崩れた敵の体勢で止める事は不可能だった。
ルロロの槍は雲を貫いた。
「最大出力ッ!! シルフウィンドウッ!!」




