Mode Chimera!!
「私に案があります。
オーディーさんはみんなを連れて逃げてください」
ルロロが言った。
「一人で行くのか?」
頷くルロロを見て、オーディーは、
「わかった。頼む、ルロロ」
無茶だ、やめるんだ……などと、止めたりしなかった。
たった一度の、お互い初めてのくちづけで男女が意志を疎通する……そんなものは、夢物語であり、ラブストーリーのご都合主義のフィクションだ。そんなことは、ルロロだって知っている。
だがしかし。例えそうだとしても。
わかった。頼む。
その言葉が嬉しかった。信頼してくれているんだと誇らしかった。
「リビィさん。
エリクサーの調子はどうですか?」
「絶好調ですよ。
マナ・ディスペンサもお二人のラブシーンにお腹いっぱいだそうです」
リビィが皮肉を交えて答えた。
「それは好都合です。
……全力で行きましょう」
ルロロは杖を構えて唱えた。
「フェンリルランサー、ペガサスウィング、サラマンダーキャノン」
『『ready』
『ready』
『ready』』
「融合創着ッ!」
『Make it to equip!
Mode Chimera!!』
二門のショルダーキャノンがルロロに装備される。
そして氷結した槍を握り、美しい翼が追加される。
彼女は翼をはためかせ、天空へと飛翔していった。




