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0027 戦争に
やっぱりここは地獄という名の天国だ。
研究員を棒切れで、次々と撲死していく。
最後はハイキックで宙に浮かせてから殴って殺した。
血でべちょべちょの雷人は何処かしどろもどろしていた。
優夏は近づいた。
「君を汚いと思う人間は、いないよ。」
「はは。」
雷人は、言った。
「優夏。この国は安全になったのか?」
「まだまだだね。戦争の火種は何処にも燻っている。」
雷人の血のついた体に優夏は寄り添った。
「………雷人。」
「行くよ。行く。」
「戦争になったら、会えなくなっちゃうね。」
また、起こるのか。
そうしたら、雷人は前線に連れ出されるだろう。
そしたら。
「優夏。オレに最後に良い武器をくれ。」
ここで優夏と雷人の物語はおしまい。




