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0017 暗記
優夏は雷人に勉強を教えてあげることにした。
「7×8=62で、小数点のコサインが……。」
「かけ算があってないって、どこまでバカなのよ!」
「暗記苦手だ。教えてくれ。」
「………。」
優夏は止まった。
「あ、暗記を教えろと。」
「その代わり、護身術ちょっと教えてもいいぞ。」
「う、うそ。結構やりたいかも。」
「じゃあ、暗記教えて。」
優夏は何かが障害になっていることに気づいた。
戦闘迎撃用アンドロイドは、汎用型アンドロイドより、やれることがかなり少ない。
もう戦闘迎撃用アンドロイドはいないのだから、比べるわけはないのだが。
「雷人。もしかしたら、雷人は暗記がこれ以上無理かもしれないね。」
「でも、落第するし。」
優夏は自分の自室で考えた。
「ソフトでダウンロードするのは?」
「違反になんねぇ?」
「戦闘迎撃用アンドロイドがいる方が違法よ。」
「い、いや。自分で頑張ってみる。優夏にまた厄介になるわけにはいかないからな。」
雷人は自室に戻った。
テストまで後5日。
優夏はやっぱり、雷人が護衛の方がいいとおもうのだった。




