0013 クレイジョーカーとならない訳
「その名をクレイジョーカーと名乗りなさい。」
軍将校からそう言われた。
中身の組織が違っているのだという。
自信を教育するスキルを持った、アンドロイドは研究されるべきだと、朝倉家は優夏を説得した。
しかし、無理だった。
優夏は頑なに兄弟も親もはねのけた。
優夏にしては、もしかしたら、初恋だったかもしれない。
優夏はクレイジョーカーの名も捨てた。
皆亜麻雷人と名付けた。そして、最後にこう言った。
「研究されるのがいいなら、私を殺してからにしなさい!」
雷人となったアンドロイドは言葉を失った。
銃の使い方、体術のやり方、受け身の仕方、警棒の使い方等。
ありとあらゆるものを自身で教育出来るプログラムが、本体が違った。
本当に出来ないのなら、有料だろうが、無料だほうが、研究所に送るべきである。いや、その方が人類が安全にいきられるくらい、クレイジョーカーは危なすぎた。
では、クレイジョーカーはそれを望んでいたが、優夏は思った。
なら、何で、クレイジョーカーは一人にならなければならないのか。
優夏の考えは簡単だった。
他にないのなら、脅威はない。一人になる必要がないなら、人間といればいい。
優夏は護衛もはねていた。
そしたら、雷人が護衛になった。
優夏は生ける範囲が増えた。




