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2話

 食料が届かなかった翌日の朝


 「浩司にいちゃん今日はさすがに食料届いているよね、もしなかったら私餓死しちゃうから。」


 「そんな大袈裟な1日2日ぐらいで死に絶えないでしょ今日はさすがに支給物資を届けに配達人が来るだろう。」


 「もぅ〜配達人いったい何をやっているのかしらね、今日は私が食料を取りに行く番だし、少し早めに外出して配達人をとっちめてやるんだから、昨日の食料分も要求してやるわ。」


 「おいおい物騒な話しだな、だが外でしばらく待つのは危険すぎる、配達人が来た時に外に出ればいい。」


 「浩司にいちゃん悠長なこと言って、食料品を置いた瞬間にさっさと配達人は移動しちゃうでしょ。」


 「まあそうだが向こうも食料配布は結構命懸けだし仕方ないんだよ。」


 兄妹お互い話し合い配達人が来た直前に香倫が外に出ることになった。

 

 玄関先のドアの前で兄妹は耳を当てる。


 「午前9時59分もうじきくるはずだ。」


 よりいっそうドア前で聞き耳を立てた。


 ブロロロロローーーースゥーーー


 車が近づいてくる音だ


 「香倫そろそろじゃないのか。」


 「そうねそれじゃあ私さっそく行ってくるわ、配達人に文句言ってやるんだから。」


玄関先のドアノブに香倫が手をかけようとした時


 「おい香倫っ完全防具はっ着るの忘れているぞ。」


 「あっしまった忘れてた浩司にいちゃん早く言ってよもぅ〜。」


 急いで玄関の靴箱の戸口の上に置いてある完全防具を手に取り、香倫は身につけようとするが、焦っているせいか思うように着れない。


 「はぁ〜こんな時に限って上手く着れないわけ〜もぅ〜やんなっちゃう〜。」


 「お、落ち着けって香倫ゆっくりいつも通りに着ればいいからさ〜。」


 そうこうしているうちに食料を配布したてあろう人物は役目を終えたのか、車に乗って過ぎ去っていく音が聞こえ遠ざかっていく。


 「ああ〜もぅ〜待て〜こらぁ〜。」


 完全防具をようやく着ることが出来た香倫はドアノブに手をかけ外に飛び出すように出る。


 敷地内から見渡すと車はもう過ぎ去っているようだ。


 「ちょっと遅かったか、明日こそはっ1日何も食べていないせいか、イライラしちゃうわね早く食料を手にして食べないと落ち着かないわ。」


 敷地内から外に出る為のドアを開く直前になって人のいる気配がしたのだ。」


 ガサゴソ ガサゴソ


 家の表札あたりから聞こえる


 もしかして配達人がまだいるのかと、昨日の詫びを込めて残って私が食料の回収を待っていて、鉢合わせした時に謝罪でもしてくれるのかと淡い期待があった。


 敷地内から出るためのドアをゆっくりと開け音のする方の様子を伺う。


 食料物資箱の前で身を屈めて何かをしている。


 相手も完全防具を身に着けているので、顔と姿が全く分からない。こちらに気づく気配がないのでとりあえず話しかけることにした。


 「あっあの〜もしかして食料を配布している方ですよね〜。」


 話しかけた瞬間相手は即座に全速力でダッシュし始めた。


 「えっええええ〜〜〜なんで逃げるのしかも全力で。」


 もしかして配達人は民間人には見られてはいけない、話しかけてはいけないとかそんな要素があるのかもしれないと安易な考えに浸り食料物資箱の方に目をやると


 「えっ無いっ食料はっっっ。」


 考えている暇はないただ直感的に相手を全力で捉えなければと、自分の頭が訴えかけていた。


 自分も全力で走り始めた逃げた相手の視界が消えて見失う前に、相手も自分も完全防具を身に着けていて動きにくいし、しかも中は暑い、しかしそんな悠長なことは言ってられない。


 昨日はいっさい食事が取れていない、今日も食事無しだと流石に心も身体ももたない。


 自分の人生で一番本気を出して全速力で走っている気がする、ようやく逃走中の相手が視界に入り始め少しずつ距離を縮めていく。


 「あ、あれはっ。」


 相手の両手には支給物資袋を持っているのが見えた。


 「はぁ、はぁ、や、やはり私達の食料をあ、あいつがぜっぜっぜぇぇったいに許さないんだから〜はぁっはぁっ。」


 完全防具を身に着けた相手はアパートのある階段を登り始め2階の突き当たりの一室へと向かい鍵を開け中に入ってしまった。


 「はぁっはぁっやつはあのアパートの部屋に住んでいるのかしら、居場所がわかったことだし、とことん問い詰めてやるわよ。」


 香倫は憤りながらアパートの階段を登り、やつが住んでいるであろう一室の部屋の前に立ち止まり


 インターホンを鳴らした

 

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