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勇者パーティの俺は、もしかしたら人型の魔物なのかもしれない  作者: 空亡


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4/6

第4話「記憶違いなら良かったのに」

 

 アンデッドに比べれば、爬虫類系の魔物の方がまだマシな気がする。

 愛嬌という意味でも、どちらかと言えば爬虫類系であって欲しい。


 最悪、勇者パーティのペット枠として残ることも――――――


「きゃあ! オオトカゲだわ!!」


「オレっちにまかせろ!! そりゃ!!」


 そんなことを考えている俺の前で、こともあろうに俺の前で。

 ガブアスの正拳突きが、木の枝に止まっていたオオトカゲの腹部に命中する。


 (あわ)れオオトカゲは、地面に墜落し絶命した。


「ありがとうガブアス。私……爬虫類が苦手で」


「次に似たようなのが出ても、オレっちが正拳突きをお見舞いしてやるから安心しな! ガッハッハ!!」


 ガブアスよ。

 俺にもその正拳突きをお見舞いするつもりか?

 お前の丸太のように太い腕から繰り出される突きなら、オオトカゲでなくとも絶命することうけあい。


「せっかく仕留めたんだから、焼いて食っちまおうぜ!」


 俺のことも、そうして丸焼きにするつもりか?

 その大きな口と歯で、噛み砕き咀嚼しようというのか?


「リリーナも食うか?」


「い、いらないわ。言ったでしょう、爬虫類はダメなの!」


 そうだ。

 爬虫類じゃダメだ! ダメダメだ!!

 俺は爬虫類系の魔物などではない。断じてない!


 外見だって、一般人と大差ないはずだ。

 野暮ったいローブを着てはいるが、目も耳も鼻も、どの角度から見ても普通の人間。

 

 魔王城を目前に控え、ナイーブになっているだけなんだ。


「気を取り直して、干し芋でも食うか」


 無駄に物が入る大きな布袋の中から、道中の市場で買った干し芋の袋を取り出す。そしておもむろに手を突っ込み、取り出した干し芋に齧り付いた。


「僕はオオトカゲをいただこうかな」


「おお! 食え食え! ガッハッハ!」


「やっぱり男の人はたくましいわね。私はパンでも食べることにするわ」


 食事の時間は憩いのひととき。

 やはりどんなに辛く苦しいときでも、食事を取るだけで心はいくらか満たされるものだ。


 俺のくだらない不安も、このひとときで吹き飛んでしまうに違いな――――――


「ちょ、ちょっとマホケス!! あなた何を食べているの!?」


 突然、リリーナが血相を変えて訊ねてきた。

 何を食べているのかって? そんなの、誰が見てもただの干し芋………………ってあれ? 


 手元を見て、愕然とした。

 俺が市場で干し芋と思って買っていた物は、乾燥した()()()()だったのだ!

 まったく気付かず、口に運んでしまった。


「それは即効性の猛毒キノコよ!! 一欠片でも飲み込んだら、あっという間にお陀仏だわ!!」


 おい、なんで市場でそんな物を売っているんだ。

 取り締まれ、そんな店。


「なんだとぉ! オレっちの正拳突きですぐに吐き出させてやるぜ!!」


 こんなにも早く正拳突きの機会がやってくるとは思わなかった。

 なんとしても、突きだけは阻止しなくては。


「ま、待ってくれ! ちょっとストップ!! 止まれガブアス!!」


 ガブアスは前に、俺と似たような状況の老人に張り手を見舞い、全治数ヶ月の重傷を負わせた挙句、『いっけね!』で済ませた前科がある。


「俺なら無事だ。ほら、なんともない!」


「う~ん…………猛毒キノコなら、とっくに症状が出ていてもおかしくはないね」


「本当に……? 私の記憶違いだったのかしら?」


 狐につままれたような顔で、リリーナが首を捻っている。

 だが俺は知っていた。彼女の言う通り、このキノコが猛毒であることを。


 故郷の森で遊んでいた俺に、義父が教えてくれたからだ。

『このキノコは猛毒だから、絶対に口に入れてはいけないよ』と。


 なぜ俺は、このキノコを食べても大丈夫なのだろう?

 成人男性の致死量を遥かに超えているはずなのだが…………。





『もしかしたら俺は、毒を使う系の魔物なのかもしれない…………』



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― 新着の感想 ―
同じネタを繰り返していくスタイル。嫌いじゃない・・・・が、大丈夫か? 書くの辛くね? と思いましたが活動報告を読んで納得しました。 ありますよね。勢いで書いちゃうってw
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