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勇者パーティの俺は、もしかしたら人型の魔物なのかもしれない  作者: 空亡


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3/5

第3話「ただの体質」



 ふっ、我ながらバカな妄想にとりつかれたものだ。

 この俺が『アンデッド系の魔物かもしれない』などと……。


 たまたま、俺が回復魔法への耐性がなかっただけのことだろう。

 ただの体質の問題で、魔物であるかどうかは無関係。そうに決まってる。


「お? 火が弱くなってきたな。すまねぇがマホケス、景気付けにチョチョっと火力を上げてくれや!」


「分かった。少しだけ火魔法を加えよう。火魔法(ロエモ)! フッ!」


 ガブアスに頼まれ、俺は加減しながら火の呪文を唱える。

 すると風に乗った炎が焚き火を覆い、火力は見るからに上がったようだった。


「ありがとうよマホケス! やっぱり焚き火はこうでなくちゃな! ガッハッハ」


 豪快に笑うガブアスだが、俺がつられて笑うようなことはなかった。

 なぜなら、そこに俺の“もうひとつの気掛かり”があったからだ。


 先ほどの光景を見れば誰にでも分かることだが、どういうわけか……俺の魔法は――――――






()()()()()】。






 氷魔法も風魔法も、肉体強化の魔法ですら、もれなく【()()()()()】。魔道士の杖なる武器を持ってはいるが、肺で魔法を練る俺にとってはただの杖でしかない。険しい道を歩くときは重宝する。


「何度見てもマホケスの魔法はすごいね。口から魔法を出せるのなんて、この大陸で君だけしかいないんじゃないかな?」


「…………ハハハ、止せよミゲル。ただの体質だって」


 人里離れた森の奥に住んでいた俺に、それがおかしいことだと教えてくれる人間はいなかった。義理の両親も、魔法のことなどよく知らなかったのだろう。


 旅の途中で魔法学校なる場所に寄ったことがあるが、そこにも口から魔法を吐く者はひとりもいなかった。俺が魔法を披露したときの、学生たちの怪訝そうな顔が忘れられない。


 魔物たちの吐く冷気のブレスや、火のブレス。

 なぜだか俺の魔法はそれらにそっくりなのだが、もちろん理由は分からない。


「景気付けも良いけど、魔王との激戦が控えているんだ。魔力は温存するようにね?」


「ハハハ、分かってるって!」


 (たしな)めるように言うミゲルに、俺は笑顔で応える。

 しかし内心では笑ってはいなかった。だって“魔力”なんて概念、俺には無いのだから。


 そう――――――

 奇妙なことに俺の魔法は、魔力とやらを消費しないようなのだ。……………………(ブレス)だからか?

 




『もしかしたら俺は、爬虫類系の魔物なのかもしれない…………』




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― 新着の感想 ―
さっそく読ませていただきました。 まずいきなり面白い。 いやあ、そんなことないだろと被害妄想と思わせつつ、主人公の疑問が裏付けされていくようで笑いました。 彼がどんな姿してるのか見てみたいです。
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