第38話 〜 初仕事3?〜
スイートルームのふかふかのソファーに深く腰を掛けてリラックスしている男を睨みながら千里也は言葉を投げつけるように問いかける。
「…しょうがないであろう?報告で聞いているだろうに…あんなに女性の眷属がいては手出しが出来ん」
「そうでありんす。我らたちは制約に縛られておるのじゃ、最近は予知班の精度が悪く度々この様なことが起きるのじゃ。最初から分かっておれば我ら達が出張ることはなかったのじゃ…」
「あ〜、面倒な制約をかけやがって…貸し1つだからな」
投げやりな態度の京都皇安局のメンバーに不機嫌全開で千里也が“貸し”を押し付けた。裕は3人のやり取りには入らず、PCを前に調査をしている白狐の面の局員達に情報を聞いていた。勇が手持ちぶさでキョロキョロとしてた。
「それよりも、そこな男子は初顔じゃな?」
「あ、はい。今月入局をしました、山田勇です。よろしくお願いします」
「うむうむ、元気があって良き良き。この理不尽が服を来て歩いている者に嫌気がさしたらいつでも京都へ来るのじゃ。わちきは、上代綾香じゃ。末長くよろしくなのじゃ」
「そうそう、あっちの男に襲われそうになったら直ぐに逃げてくるのだぞ、拙者は角亮太だ。くれぐれも背後に気をつけよ…」
「あのさぁりょうちん?変な情報をイサムんに言わないでくれないかな?それよりも目標の情報が欲しいんだけど?幾ら女性が沢山いたって2人から逃げられるって尋常じゃ無いでしょう?」
いつの間にかこちらに戻ってきた裕が頬っぺたを膨らませながら文句を言いながら会話に入ってくる。裕の指摘に今まで緩やかな雰囲気に緊張が漂い始めた。
「目標の実力は資料の通り大した事は無い。多少スピードが早いのと多角空中攻撃をして来るのを警戒していれば大丈夫だろう…問題は」
そこまで説明すると角は奥歯を食い縛り表情を歪め湧き上がって来た怒りを何とか押し留める。勇達も角から殺気が少し漏れ出ていたので黙って次の言葉を待っていた。
「…あいつは、自分の眷属を。女性達を盾に、女性越しに攻撃を仕掛けて来たのだ。そのせいで2人ほど命を落とした」
問題のトフルギアは女性達に角や上代を抑えさせて女性を含めての範囲攻撃や女性の背中越しから攻撃を仕掛け、女性達が自身の攻撃で傷つく事をかまわなかったらしい。
終いには女性達に自爆攻撃を命令して来たので角と上代は女性達を気絶させて対応をするしかなかったと悔しそうに語った。
「ちっ、タチが悪い。その状況じゃお前達じゃ相性が悪過ぎたな…すまん、さっきは言い過ぎた」
千里也が状況を知って素直に謝罪を言ったので勇を含め全員が顔を引き攣らせてびっくりしていた。上代など口をパクパクさせながら何かを言おうとして居るほどだった。
「…まさか!傍若無人が服を着て歩いている奴から謝罪が聞けるなんて…今夜は雪か?」
「ちっ?人の事を何だと思っているんだっ!」
「えっ?「「「「じゃいあん」」」」」
4人が声を揃えて千里也に突っ込むのだった。
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勇、千里也、裕は名古屋城の隣にある公園で目標のトフルギアが来るのを待ち構えていた。先ほどの事が腹に据えかねたのか千里也から大量の殺気が放たれている。流石に敵に気付かれる可能性があるので、角の隠密の呪符を大量に背中に貼り付け隠していた。
30分ほど深夜の冬の寒さに耐えていると繁華街の方から戦闘音が聞こえてくる。勇がその方向に【探索】のスキルを向けると4つの反応が勇達の方に向かってくるのがわかる。
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「ちっ、しつこい連中だなっ!食事もゆっくり出来なじゃないか!B美、C美っ!お前達が付けられたに決まっている!あゝ、クソッ!明日、彼女達を眷属にしたらお前達はほうちくしてやるからなっ!」
女性3人に周囲を守らせながら、痩身で髪はボサボサで、目にクマがくっきりと付けた男が怒鳴り散らしながら前方に見えた公園に逃げ込む為に懸命に走っていた。
「全くカロリーを補給しないと満足に変身も出来ないのに…これじゃまともに戦えるのは数十分が限界だな。もっと多くのカロリーを補給しないと…」
男はそう呟きながら手に持っているコンビニの袋からチョコレートバーを何本も口に運ぶ。走りながらのため口の周りにチョコレートを塗りたくったようになっていた。
名古屋城の隣にある公園に逃げ込み、木々の影に紛れ追手を撒こうと奥に進むと誰かが道を塞いでいた。
「はいはいはい、もう逃げるのやめない?追いかけるの面倒だから?…聞こえてますかぁ?」
裕が心の底から面倒くさそうに両手を広げて男達の前に道を塞ぐように立ちはだかる。そして、右側には千里也が、左側には勇が同じく手を広げて道を塞いだ。
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今作品は全て作者の妄想で出来ております。
現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。
更新は週3回を目標に更新します。
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