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第3話 〜親をなめるな〜

お読みいただきありがとうございます。

小橋は突然起きた目の前の状況に混乱していた。今夜は戻ってきて漸く集めた少女(ペット)達から精力を吸収し少しでも元の力を取り戻す算段だった。


満月が中天に登るまであと数時間、少女(ペット)達といやラブをして過ごす予定が…小橋の頭の中は『何故、こうなった』と自問を繰り返していた。


3人のうちのロン毛の男が面倒くさそうな口調で何やら宣言をし始めた。


「それでは、我々は皇安局第3課 捕縛及び処理班の者だ。……もし抵抗や反撃などした場合には直ちに処理に移行する」


『はっ?公安?何処ぞのサイボーグが出てくるアニメかっ!? な、なんだ()()っ!』


「っで、どうするよ小橋こばし君?」


「い、いきなり現れて投降しろとか、消すとか訳が分からない事言ってんじゃねぇよ!そもそも、お前達なんかにやれるかよっ!」


『ふっざぁけっんなぁ! 望みもしていないのにこっちの世界に戻されてフラストレーションが溜まっているのに、皆んな勝手なことばかり言いやがって。やれる物なら、やってみろっ!返り討ちにしてやる』


小橋は駆け寄って来ようとしているロン毛の男と長身の女に向かって“攻撃してみろ”と言わんばかりに仁王立ちになり胸を張った。


『僕には【物理攻撃透過】のスキルがあるんだ、お前らの攻撃が通り抜けた後に【エナジードレイン】で殺してやるっ! あれっ?』


“ゴガァ”


駆け寄ってきていた2人の姿が一瞬にして消えたと思った瞬間小橋は胸部と腹部にトラックが衝突したのかと思うほどの衝撃を受けて後方にぶっ飛ばされた。


“ズゥガァン…バギバギ…ドォオン”


小橋は後方にあったモミの大木まで弾き飛ばされ衝突し、その衝撃で大木にヒビが入り最後には折れて倒れた。


「ば、馬鹿な!何故僕に攻撃が当たる?僕は【攻撃透過】のスキルを持っていいるんだぞっ!はぁはぁ、ゴフゥ」


「ねぇ、お前やっぱりバカなの?それとも厨二病末期患者?自分からスキルとかバラしてんじゃねぇよ、雑魚が!」


千里也(せりや)は折れた大木の前で膝をつき地面に両手をついて吐血している小橋を蔑すました目で見ながら吐き捨てる様に言った。


「「「きゃー、ご主人様」」」「「大丈夫ですかっ!」」


小橋がひざまづいて血を吐いている事に気づいた少女達が駆け寄り声をかける。そしてその内の2にんは千里也(せりや)里見(さとみ)を睨みつけながら立ち塞がる。


「あなた達っ!ご主人様に何をするの」「それ以上何かしたら私達が許さないっ!」


2人の少女は、互いに背を合わせるように立つと千里也(せりや)達の方を向き右手と左手で指差した。


「おいっ、(ゆたか)ぁ。これどうすんだ?」


千里也(せりや)、ダメ、絶対に傷つけちゃダメだからっ!」


「ちっ、めんどうだなぁ」


突然立ちはだかった少女達に千里也(せりや)(ゆたか)が怒鳴りあっている間に少しだけ回復をした小橋は少女達に指示を出す。


「おい、1号、2号。お前達はあいつらを止めて時間を稼げ。3、4、5号は今すぐ俺に精力(エナジー)を捧げろ!」


「「「「「はいっ」」」」」


“ブッツ” 


いきなり太い電源コードで抜いたかの様な音が響き渡り、周囲が濃密な殺気に覆われた。少女達は濃密な殺気に耐えられずその場にうずくまり膝を抱えブルブルと震えている。


小橋も全身が震え出し顎が震え奥歯がガチガチとぶつかる音が反響していた。なんとか目線だけを上に挙げると里見(さとみ)と呼ばれていた女が目の前に立っていた。


「き〜さぁ〜まぁ〜、親が名付けた名前をなんだと思っている?どんな思いで子供の名前を親は付ていると思っているんだ?」


何処までも冷たく、何処までも重い、脳みそに直接響く声で里見(さとみ)は小橋に問う。小橋は何か言おうにも顎の震え、舌も動かないので声を発する事が出来なかった。


「どう、思っているんだっ!と聞いているんだぁ!!」


里見(さとみ)の問いに一向に答えない小橋の横腹を怒りのままに蹴り飛ばした。3mほど横に吹っ飛び地面を2バンウンドして芝生の広場の上で止まった。


「あ〜終わった。後は任せた」


「……あっ、さと、いや無理だ」


里見(さとみ)の性格を良く知る千里也(せりや)(ゆたか)の2人は早々に彼女を止める事を放棄した。そして里見(さとみ)の周囲が“ゆらぎ”始めると距離を取るために3歩ほど下がった。


「ガフッ、く、クソが!絶対に許さない、僕を足蹴にしやがって、絶対に◯すっ!」


身体が硬直するほどのダメージを受け倒れていた小橋だったがヴァンパイアの回復能力に最大魔力を注ぎ込み立ち上がる。


「変態野郎が何を言う。お前は何も出来ずに、子供達を蔑ろにした事を後悔しながらチリも残さず燃えるんだよ。

【原初の焔のひとかけら

  不死鳥の息吹

   全てを焼き尽くす煉獄の炎よ。

    一握りの魂すら残さず全てを焼き尽くせ!

   煉獄葬送(フレイムオブバニッシュ)】」


里見さとみ)が呪文を唱え長杖を振るうと数十個の焔色に輝く炎球が浮かび、一斉に光線となって小橋の身体を貫通し穴だらけにし地面で爆ぜた。そして空いた穴から炎が吹き出し小橋の身体を焔が覆い尽くす。


「きゃぁー! ひ、人が燃えているっ!」

お読みいただきありがとうございます。

今作品は全て作者の妄想で出来ております。

現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。

更新は週3回を目標に更新します。

宜しくお願い致します

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