第35話 〜限界突破3?〜
勇の開始の合図を聞いて牛頭鬼改が突進をしてくる。勇も先程とは異なり前進し距離を詰めた。それから牛頭鬼改は怒涛の連続攻撃を行ってくるが、勇はことごとく避ける。今度は回避だけではなく、フェイントを入れて積極的に牛頭鬼改の隙を伺った。
数十の攻防の後、牛頭鬼改は石畳を削る範囲攻撃を連続で放つ。勇は飛んでくる石礫を全て回避するため動作が大きくなる。何度目かの攻撃の後いつの間にか壁の近くまで誘導され回避ができなくなってしまっった。
牛頭鬼改はチャンスとばかりに今まで以上に石畳みを削る攻撃を放つ。勇は壁とは逆の方向に回避を行うが移動距離が長く全部は回避できず石礫を防御する。
それを見越して牛頭鬼改は強撃振り下ろし攻撃を放つ。勇は前と同じ様に前進してバトルアックスの持ち手部分を防御し攻撃を吸収のためしゃがみ込んだ。
ブモォー
牛頭鬼改は『馬鹿め、掛かった』と思い歓喜の声を上げ股下を通れないように脚を閉じる。そしてそのまま勇を丸焼きにする為に大きくブレスを吐こうと下を向いた。
「掛かったのは、お前だ」
勇はジャンプの勢いに加え残りの魔力を鉄パイプの先端に集め、硬質化しブレスを吐くために半開きになった牛頭鬼改の口から頭蓋に向かって突き刺した。
鉄パイプは頭蓋骨を粉砕し頭頂から突き出た。牛頭鬼改は勇の声を聞いた後、何も痛みを感じず絶命し溜め込んでいたブレスが行き先を失い大爆発を起こし身体が粉々に成った。
……辺りには爆発音の反響音が鳴り響き段々と収束をして行く。上半身を失った牛頭鬼改の下半身がゆっくりと前のめりに倒れた。
「…痛ってぇ…身体中が痛てぇ…」
至近距離で牛頭鬼改の自爆を受けた勇は全身がボロボロだった。最後の攻撃で魔力を使い果たしていたので防御に回す魔力が無くステータス値だけでの防御になった。
魔力ゼロ、体力ゼロ、生命力(HP)かろうじて1の状態だった。どのくらい時間がたったのかわからない状態で勇は1階層への転移陣に向かってなんとか起き上がり足を引き摺りながら進む。
一歩進むたびに身体中が悲鳴をあげ痛みに筋肉が過剰反応をする。通常の何倍かの時間をかけて転移陣に到達するが魔力がゼロのため起動が出来なかった。
勇は転移陣の上で段々と薄れて行く意識を必死に繋ぎ止め緊急用に鎧の下に縫い付けていた魔石を取り出し転移陣に押し付ける。
押し付けられた魔石から魔力が解放され転移陣が淡く光り勇は1階層に転移した。
「おいおい、ひよっこ?帰ってくるのが遅く…おいっ!やばいっ!裕っ!」
一瞬の浮遊感の後誰かが何かを叫びながら近づいて来たのはわかり、安心した所で勇は意識を手放したのだった。
お読みいただきありがとうございます。
今作品は全て作者の妄想で出来ております。
現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。




