第30話 〜 学校生活?〜
異世界から返って来てからと言うもの、外出する時にいつも考えてしまう。これが最後だったらと…そう思うようになってから母親や夏菜子との会話が増えた。
高校は最寄りの駅から電車に乗って40ふん、隣の県にある学校まで通っている。うちの高校は大学進学1/3、専門その他への進学1/3、就職1/3とバランスが取れた平均的?な高校だと思う?
進学理由は中学の同級生がいない事であった。中学時代はいわゆる”いじめられる側“の人間だった。キッカケは些細な事で中学2年の時、クラスでいつもボッチで過ごしていた同級生(男子)に声を掛けた事だった。
当然その男子がクラス全員にハブられていたのは知っていたが、もう亡くなった父親がよく読んでいた時代小説の『鬼平犯科帳』のシリーズを読んでいたのを見て、大人が読む小説の何がそんなに魅力的なのかを知りたくなったからだった。
その後は簡単に想像ができる通り俺もハブられ、その男子は他校に転校してしまった。1人残った俺は、暴力を振るわれる事は無かったが教科書や体操着などイタズラ書き、捨てられたりするのは日常茶飯事。ひどい時はビリビリに破られ机の引き出しにしまわれていた事もあった。
親に心配をかけたくなかった俺は、破られたりした教科書は卒業生が置いて行った物を使ったり、体操着は忘れ物Boxに半年以上残っている物を『自分のモノです』と言って貰ったりしていた。
子供の様子をよく見ていた両親には隠し通せず、理由を問われた時に正直に話した。両親はかなり悩んで『そんな学校に無理に通う必要は無い、一緒に転校しよう』と言ってくれたが両親が現在の自宅をとても愛している事を知っていたので、『中学も後1年だから』と言って残ったのだった。
3年に進級したがクラス替えもなかったので引き続きハブられる日常が続いたが、夏休みが開ける頃には受験勉強で俺の事などを構っている暇がなくなったのか無視は続いたが物が無くなったりする事は止まった。
そんな状態だったので父親に隣の県の高校受験を勧められ、受験をし合格をした。予想どり誰も俺の事を知る生徒はいくなった。しかし急に友達を作る勇気も無く1年の間はずっと1人で過ごした。
「…おはよう」
異世界に行く前は教室に入る時に友達もいないのに挨拶などしなかったのだが、仲間のエルの影響(半分強制)で兎に角、挨拶だけはするようになった。
「おっ、あっ、…おはよう」「…」「…」
挨拶をされて反射的に挨拶を返すクラスメイトもいるが、大多数は俺が教室に入ってきた事を確かめるだけにとどまる。
まあ、1ヶ月前まで挨拶もせずに教室に入ってきてほぼ一日何も喋らなかった俺が、挨拶だけとは言え声を発している事に慣れないらしい。
3年の2月の中旬も過ぎると殆ど受験も終わり、学校の授業もホームルームだけか、自習になっていた。自習の場合は図書室での自習も認められているので最近は図書室で黙々と勉強をしている。
千里也さんに「ステータスや【異世界言語】のスキルに意識を向けてみろ」と言われてからその通りしてみると今まで余り理解できなかった数式の解法や英語がスルスルと理解できて学習意欲がここに来て爆上がり中なのである。
「あ〜!居たいた。まったく受験時期も終わり、就職も決まったこの時期に何で参考書を山にしてべんきょうしているかな?」
図書室で許容されるギリギリの声量で俺の唯一の学友である佐藤圭介がいつの間にか横に立って声をかけて来た。
「……」
「おいっ、無視をするな!」
「うるさいなぁー。今この数式があと少し解けそうなんだよ、用がないなら帰ってくれ」
「はぁ?何も聞かないうちに用が無いと決めつけるなよ。就職が決まるちょっと前までは…うーん、変わらない?いや、やっぱり横暴にはなっている?……」
自問自答を繰り返している圭介を放置して俺は数式に戻り集中すると湯水が沸くように数式の答えが思い浮かび夢中でノートに書き込んだ。
回答を書き終えても圭介がまだ隣でぶつぶつと独り呟きながら自問自答を繰り返しいるので。
「…で?何のようだ?」
「何のようだ?じゃないよ!昨日就職先の試験を受けに行ったんだろ?結果を待っていたのに昨日は何も連絡をしてこないから、こっちから聞きに来たんだ」
「お前、やっぱり変わった!むかつく方に変わった!」
「はいはいはい、静かにしましょうねぇー。おちつきましょうねぇー」
「あー!余計むかつく」
本格的に起こり始めた圭介をみて「からかい過ぎた」と謝る。そして詳しくは昼でも食べながらと伝えて2にんで図書室を出た。
お読みいただきありがとうございます。
今作品は全て作者の妄想で出来ております。
現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。




