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第1話 〜絶対におかしい〜

お読み頂きありがとうございます。


俺の名前は、山田勇(ヤマダイサム。男子高校生3年の18才だ。つい1ヶ月前、異世界召喚された異世界エレモントから帰還(もどって)来たばかりだ。


俺の家族は母親と妹と俺の3人家族だ、父親は中学の時に交通事故に巻き込まれ突然他界した。


とても慎重性格の父親は万が一自分に何かがあっても家族に苦労はかけさせないと考えるような人だったので、住む家と当面の生活費を賄える程のお金を残していてくれた。本当に感謝しかない。


生活費については問題はなかったのだが、父親をとても愛していた母親が心労で病気になった。手術が必要な程ではなかったが半年ほどの入院し退院はできたのだが自宅療養が必要になった。


収入の無い現状だと、父親が残してくれた遺産だけでは数年で生活が出来なくなると理解した俺は高校に入学後、出来るだけの時間を使ってバイトをする毎日を送っていた。


そんなバイト漬けのある日、バイトを終えて家路を急いでいると、いきなり謎の魔法陣が空中に浮かび上がり目の前が白くなった。酩酊感と浮遊感を覚えた後、気づくと見知らぬ部屋に移動していた。


まあ、後は良くラノベとかにある展開と同じで勇者認定され、元の世界に戻るためには魔王を倒す必要があると言われ、残して来てしまった母親と妹の為に文字通り命を削りながら戦った。


運よく良い仲間達に出会い5年もかかったが魔王を討伐、仲間と喜びを分かち合っている時に異世界に飛ばされる時と同じよう魔法陣が浮かび光に包まれて、「帰還を望むか?」と問われ一瞬悩んだが「YES」と答えた。


光が収まると異世界に移動する前にいた同じ場所に立っていた。時間も30分しか経過していなく姿も元の姿のままだった。


それから急いで自宅に戻り母親と妹の顔を見て泣き崩れたのは致し方ない黒歴史だ。理由を説明するわけにもいかず、2人にはただの反抗期の不安定なホルモン影響だと誤魔化した。


「おいっ、バカ妹。迎えにきたぞ」


コンビニのイートインスペースに不安げな表情でスマホをいじりながら椅子に座っている妹、山田夏菜子(ヤマダカナコ)に声を掛けた。


夏菜子は勇を見つけると一瞬泣き出しそうな表情をしたがすぐに怒りの表情に変わり文句を言う。


「お兄ぃ、遅すぎっ!お腹すいちゃったじゃ無い!何分待たせればすむの?スマホの充電も切れそうで不安で、ち、違う!する事なくて暇だったじゃないっ!」


「おまっ!・・・」

寒い中、自転車を漕いで迎えに来た兄に向かってなんて事を言うのかと勇は文句を言い返しそうになったが、強化された視力で捉えた夏菜子の頬にあった涙を流した後を見つけ言葉を飲み込む。


「ごめんな、遅くなった」


「・・・っ本当にそう!お腹すいたし早く帰ろうっ!・・・・・・・・ありがと」


夏菜子は勇の謝罪に対してまた文句をいいながらコンビニの出口に向かう。しかし、すれ違いざまに耳をすましてなければ聞こえないほど小さな声で夏菜子は感謝の言葉を呟いた。


異世界エレモントでレベルアップし強化された聴力を持つ勇はしっかりと聞こえており、すれ違う夏菜子の頭をポンポンと撫でたのだった。


▷▷▷

コンビニから出て自転車の後ろに夏菜子を乗せると勇は風除けのためにシールドの魔法で自転車毎おおった。


自転車の後ろに乗り冷たい風に晒されると覚悟していた夏菜子は自転車が走り出しても寒くないのに気づき首を傾げていた。


勇はこちらの世界に戻っても異世界エレモアで習得したスキルや魔法は問題なく使用出来たので目立たない範囲で使っていた。使用感としては、こちらの正解の方が魔法の威力が高いと感じるほどだった。


「ねぇ、本当にここを通っていくの?なんかいつもより暗らいし、行きたくないんだけど!?」


「乗っているだけなのに文句を言うな、ここを通れば10分は早く家につけるんだ。早くいくぞ」


勇は家に帰る途中、行きには通らなかった公園を通るショートカットを選択する。夏菜子から何やら分からない文句が出たが運転しているのは自分だし、モンスターのいないこっちの世界での多少の暗がりなど何も恐怖を感じないからだ。


ギャーギャーと煩い夏菜子の声を無視して公園の入り口を入ると一瞬何かを通った感触を感じた。そしてこっちの世界では聞こえるはずのない、聞こえてくるはずのない剣戟の音を捉えた。


ここ迄お読み頂きありがとうございます。

この物語の世界は作者の妄想の世界なので自転車の2人乗りは合法となっています。

宜しくお願い致します。

更新は週3回を目標に更新します。

宜しくお願い致します。

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